ニューヨークシティマラソン(11月7日開催)のゴール付近で、ランナー同士の心温まる瞬間を捉えたビデオが話題を呼んでいる。
ビデオに映っていたのは、自力で前に進めなくなった一人のランナーの両脇を支えながら、一歩一歩ゴールを目指すランナーたちの姿だ。
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それは、フィニッシュラインからわずか200メートルほど手前の地点での出来事だった。
39歳のランナー、ジャメル・メルヴィルさんは、ゴールまであと少しという状況で体調を崩し、地面に倒れ込んだ。メルヴィルさんは「もう限界だった」と当時を振り返っている。
メルヴィルさんの横を通り過ぎようとしたランナーは、メルヴィルさんに気づくと振り返って助けに来てくれたという。
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大勢の観客が歓声を上げて見守る中、複数のランナーたちがメルヴィルさんの体を支えながらゴールを目指し、完走した。
動画を撮影したアンディ・ケントさんは、「これこそが最高の思いやり。多くの人が知るべき瞬間だと感じました」と語っている。
メルヴィルさんは、「彼らは 『頑張って』と言い、私の目を見て、何も言わずに何をすべきか教えてくれました」と話し、助けを受けた瞬間が忘れられないという。
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メルヴィルさんを抱えたランナーの一人は、2年前に同じマラソン大会で自身が経験したことが、立ち止まった理由のひとつだと明かす。「18マイル地点で怪我をしてリタイアしたので、完走できない気持ちはよくわかります」
見知らぬランナーに支えられ、3時間34分6秒でゴールしたメルヴィルさん。「助けてくれた人たちを心から尊敬しています。彼らと話をして、感謝の気持ちを伝えたいと思います」。来年もこの大会に出場するつもりという。