羽生結弦はまた進化した。 4回転アクセルの成功に近づいていた(演技動画)

国際スケート連盟(ISU)の公認大会としては、回転不足とはいえ初認定となった。全日本選手権での挑戦よりも、4回転アクセルの成功に近づいた。
羽生結弦選手
羽生結弦選手
Valery Sharifulin via Getty Images

羽生結弦はまた進化した。

北京オリンピックの男子フィギュアスケートのフリー。

冒頭で宣言通りに挑んだ。 4回転(クワッド)アクセルという前人未到の領域に。

着氷に失敗し、転倒こそしたが、採点結果は「4A>」(4アクセル アンダーローテーション=回転不足が1/4回転以上1/2 回転未満)。

「4A>>」(ダウングレード=回転不足が1/2回転以上)だった2021年末の全日本選手権の挑戦よりも、成功に近づいた。

惜しくも、史上初のクワッドアクセル成功とはならなかった。それでも、失敗ではなく進化だ。国際スケート連盟(ISU)の公認大会としては、回転不足とはいえ、初のクワッドアクセルの認定となった。

8位でのフリーのスタート。

2つ目の4回転サルコウも転倒したが、続くトリプルアクセルとトリプルループのコンビネーションをしっかりと決めてからは、自身の演技を取り戻した。

実況が「一つ一つの音にも合っています」と表現するよう華麗なステップを披露した後、4回転トウーループとトリプルトウーループの美しいコンビネーション。

続けて、4回転トウーループ、シングルオイラー、トリプルサルコウの3連続も成功させた。

その後も安定した滑りで、最後のトリプルアクセルもしっかり収めると、美しいステップやスピンで氷上を巡った。

演技を終えた瞬間、羽生選手の表情は少し和らいだようだった。会場に響いた拍手に包まれ、リンクを降りた。

NHKの解説担当でプロスケーターの本田武史さんは、クワッドアクセルについて「高さ、回転もいい感じで入っていきました。軸もしっかりしていて、片足で、というところまで来たのですが、惜しくも転倒となりました」と評した。

続けて「リスクが高い中でも挑戦していくという気持ちが伝わってきたと思います」と羽生選手を称えた。

「あれが僕の全て」

「全部出し切ったというのが正直な気持ち」

演技後のインタビューで、羽生選手はそう答えた。

クワッドアクセルの挑戦について問われると「明らかに前の大会よりもいいアクセルを飛んでいましたし、もうちょっとだったなという気持ちもあるのですが、あれが僕の全てかなって」とゆっくりと言葉を置いた。

「報われない努力だったかもしれないですが、確かにショートからうまくいかなこともあった。うまくいかないことしかなかったけど、一生懸命がんばりました」

羽生選手の言葉には、悔しさと自分を貫いたという気持ちが入り混じっていた。

結果は4位。金メダルよりも、順位よりも、挑戦することを貫いた。