誰もが知る著名な歴史的名画が、まさかの被害にあった。
フランス・パリのルーブル美術館で現地時間の5月29日、1人の男がレオナルド・ダヴィンチ作の名画『モナリザ』にクリームが付いたケーキを投げつけた。英・BBCなど複数の海外メディアが報じた。一体、何が起きたのか。
クリームまみれの名画。拭き取られる瞬間も、ただ虚しく微笑んでいた
結論から言えばモナリザに直接的な被害がなかった。絵はガラスで保護されていたため、無事だったという。
BBCによると、モナリザにケーキを投げつけたのは車椅子に乗った初老の女性に扮した36歳の男性だった。男はかつらと口紅を付けていて、騒動の後に駆けつけた警備員に取り押さえられたという。
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ガラスで守られてはいたものの、モナリザは胸から下あたりを中心に広い範囲をクリームで覆われてしまった。
事件の後に館内で撮影されたとみられる写真にはモナリザに付いたクリームをスタッフが拭き取る様子がおさめられたが、当時も多くの訪問客がいて注目を集めていた。
モナリザは、絵画を保護する目的で1950年代からガラスで覆われているという。
犯行に及んだ男が残したメッセージとは?
モナリザにケーキを投げつけた男はスタッフに連行され現場から去る際に「“think of the Earth”(地球のことを考えて)」と訴えた。
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BBCの報道によると「地球を破壊している人たちがいます。考えてみてください。芸術家は言います。地球のことを考えて、と。それこそが私がこれ(今回のモナリザに対する行為)をした理由です」と言葉を残したという。
共同通信によると、警察は男を精神医療施設で拘束。文化財損壊未遂の疑いで調べているという。
ルーブル美術館は日本時間5月31日午前時点で、事件についての正式なコメントを出していない。