2023年初の「最強の開運日」。一粒万倍日と天赦日が重なる吉日とは(2023年1月6日)

一粒万倍日と天赦日。どんな日なのか、それぞれ調べてみました。
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1月6日は「最強の開運日」と、SNS上で話題になっている。「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」と「天赦日(てんしゃにち)」という吉日が重なっているためだ。どのような日なのか調べてみた。

■2023年「最強開運日」は3日だけ

暦を知る事典 」(東京堂出版)では、一粒万倍日と天赦日について、以下のように書かれている。

<一粒万倍日>

一般には、文字通り一粒の籾が一万倍になってかえってくるという意味で、仕事始め・開店・種蒔き・金貸しなどによい日であるが、借金や借り物など増えては困るものは当然ながら凶である。

<天赦日>

天が万物を養い、その罪を赦す日の意から、陰陽道で一年中の極上の吉日とする日。百神が天の上る日であるので禁忌するところがないという。

Oggi.jpによると、一粒万倍日は年間に約60日、天赦日は数日あるという。2023年で一粒万倍日と天赦日が重なるのは、1月6日、3月21日、8月4日の3日だけだ。

■暦注とは? 政府の規制で一時消滅。「お化け暦」が出回ったことも

暦入門』(雄山閣出版)などによると、一粒万倍日や天赦日などの日々の吉凶を定めた内容は「暦注」と呼ばれている。もともとは中国の陰陽五行説などを元に、暦に記入された注記だった。江戸時代までは公式の暦にも記載され、人々の行動の指針として広く信じられていた。

それが変わったのは、1873年(明治6年)。太陰暦から太陽暦へ改める際に、太政官布告で「暦注は迷信である」として、政府は暦注を除外するように勧告した。こうして公式の暦からは、暦注がなくなった。

しかし、一般庶民の間では以前のように暦注のついた暦を望む声が多く、太陽暦に暦注を加えた「お化け暦」(おばけごよみ)が民間でゲリラ的に出版されるようになった。

一橋大学大学院・特任講師の下村育世氏の論文「昭和戦中期の暦」によると、太平洋戦争後の1945年、GHQの神道指令で、伊勢神宮が暦の独占頒布権を失い、カレンダー類は自由に発行できるようになった。

こうして「お化け暦」という言い方もなくなり、それまでタブーだった暦注も、堂々と復活するようになった模様だ。

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