運命の人だと思っていた。彼の全てが嘘だと知るまでは

特別な人を見つけたと感じていた40代女性。でも、彼には彼女の知らない生活があった...
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2022年の初め、私は1カ月前から度々デートしてるライアンと、ブロードウェイミュージカルを観にニューヨークへ行く予定だった。

ライアンとは2021年4月から半年付き合って、一度別れたものの、再度復縁に向かって歩み始めていた。だからこれは、ロマンチックな旅行になるはずだった...。

彼の全てが嘘だと知るまではーー。

特別な人、ライアン

ライアンとは、2021年11月に一度別れていた。彼はすごく多忙で、私との時間なんてないと感じたから。デートの日程や時間の変更やキャンセルはしょっちゅうで、週末は仕事や子どもとの予定で全く会えない。自分のために時間やスペースを作ってくれる人と一緒にいたかった私は、結果的に彼を手放した。でも実際は、手放しきれてなかった。

別れた後、数人の男性とデートした。でも、誰とも本当の繋がりを感じなかったし、親密になることもなかった。いつも心の奥で「ライアンとは違う」と思い、ライアンとの復縁の道を探していた。

何が特別か説明できないけど、彼との間に感じた繋がりは、人々がよく運命の人を見つけた時に言い表すような「直感的に分かるもの。感じるもの」なのだ。

私もそれを感じたのだ。


そんな中、新たな人との悲惨なデートの後、私はライアンにメッセージを送った。

「ある男性と会う予定だったレストランの駐車場に座ってるんだけど、ドタキャンされた。彼に会うためのこの駐車場にいたくない」

そして私は続けた。

「どんな男性にも会いたくない。私が会いたいのはあなただけなの。なんで私たちはもう付き合ってないのかな?ほんとにバカだよね」

するとライアンから「一緒にコーヒーを飲みに行こう」と返信がきた。彼は他の女性とデートはしているけど、繋がりを感じる相手には出会ってないと話し、私にもう一度やり直そうと言った。

また惹かれていく私

そして私たちは毎日メッセージを送り合うようになった。

私はライフコーチのもと、自分は良いものを手に入れる価値がある、良いものを得て良いのだ、と信じるよう努力してきた。コーチは私に、自分に必要なものを求めるようアドバイスをくれたので、私は勇気を持って、ライアンをパームスプリングスへの旅行に誘った。すると彼に「行きたいけど、調整するのに数日ほしい」と言われた。ショックだった。

そして3日後、ライアンは、航空券が高すぎるし、その週末は上司たちと過ごす予定があるから一緒に行けないと言った。その代わり、ニューヨークでミュージカル『ザ・ミュージック・マン』が上演されるから、一緒に行かないかと誘ってくれた。私は嬉しくて泣きそうになった。

ライアンとディナーデート中の筆者。ライアンは彼女の目を見て、「君だけと付き合いたい」と言ったという。
COURTESY OF TANYA EBY
ライアンとディナーデート中の筆者。ライアンは彼女の目を見て、「君だけと付き合いたい」と言ったという。

前の結婚では、よく元夫に突然の旅行を提案したけど、いつも疲れてるとか面倒臭いと言われた。だから、ライアンと一緒にロマンチックなことをするのが楽しみだった。宇宙は私に良いものをくれた!私には価値がある!ただ求めれば良かったのだ。

ライアンは劇場のチケットを予約し、私は送金アプリで自分の分のチケット代を支払った。飛行機とホテルは私が予約し支払った。彼はあまり金銭的余裕がないので、私は喜んで負担した。

一緒に旅行の話をし、また彼に惹かれていくのを感じた。でも、前より大切にされ、サポートされていると感じる、新しく、健康的な惹かれ方だった。

ある女性からの突然の連絡

そんなある日、Facebookで知らない女性からメッセージを受信した。

その女性はライアンのことを知っているらしい。それどころか、彼女はライアンのガールフレンドだと主張し、彼と別れたばかりだと言う。送金アプリで私が彼にチケット代を支払ったのに気づき、私のことを調べたという。

「このチケットは何なんですか?」

2人は2年間付き合っていたと言い、何が起こっているのか教えて欲しいと迫られた。

私は彼女のFacebookページを見て、すぐに吐き気がした。ページをスクロールしていくと、その写真からライアンのダブルライフが鮮明に見えてきた。

「上司と出張中」と言っていたのに、ガールフレンドとテネシー州ナッシュビルにいた。

その時だけじゃない。

2021年に半年間付き合っていた時にライアンが話していたことは、全て嘘だったのだ。

これまで何度も「仕事の出張」や「仲間との釣り」、「子どもの用事」で忙しいと言っていた時、実は彼は、ガールフレンドと一緒にジャズフェスティバルに行ったり、カヤックに乗ったり、新年を祝ったりしていたのだ。

ある時は、彼がバスケットボールの試合観戦中に写真を送ってきて、「仲間とその妻たちと一緒で、邪魔者な気がしてつらい」と愚痴ってきたこともあった。でもその日の写真には、ガールフレンドに腕を回したライアンが写っている。

ライアンは、私と会えない言い訳に嘘をつきまくっただけでなく、その旅行やイベント中に、「早く会いたい」などと私にメッセージを送ってきて、繋がっていることがどんなに嬉しいかを伝えてきた。それに、最悪なのは、子どもを言い訳に使っていたことだ。

私は彼に電話し、何が起こっているのか説明を求めた。

ライアンが白状した内容は、驚くべきものだった。

明らかになったライアンのダブルライフ

2021年、私と最初に付き合っていた間(私としか付き合っていないと言っていた)、彼は他に6人の女性と付き合っていたと白状した。2022年に私とデートを始めてからは、2年付き合っていたガールフレンドの他にも2人の女性と付き合っていたという。

信じられなかった。

しかも、ニューヨークへの航空券代も返さないと言い、私は600ドル(約8万円)も失った。でも問題はお金よりも、大切だと思っていた関係を失ったことだった。

ライアンがしたことは、人を「傷つける」レベルの話ではない。嘘をついたこと以上の問題だ。私の気持ち、信頼、そして愛への信念を打ち砕いた。でも、彼に私の自尊心まで潰させはしない。

これまで、2度の結婚と15年間の関係を経て、私は48歳で出会いの場に再デビューした。マッチングアプリは使いたくなかったけど、他に選択肢はあまりない。恋愛相手を求めることは恥ずかしいことじゃないはずなのに、時々そう感じてしまう。愛されたいと思うあまり、また傷つくハメになる。これは自分の責任だ。

でも、もちろんそうではない。

でも、私は諦めない

マッチングアプリは人を騙しやすい方法を作ったと思う。獲物は簡単に手に入り、ペテン師は嘘をいくらでもつける。人はなりたい自分になり、好き勝手できる。あなたの会っている人や恋に落ちた相手のプロフィールが本当かも分からない。それは怖いことだ。

でも、私はライアンを理解し親切であろうとするあまり、赤信号を見逃していた。「彼は仕事と子どものことで忙しいから私と会えないんだ」と正当化していたのだ。恥ずかしいし、屈辱的だ。

私は以前にも増してマッチングアプリを警戒しているが、諦めてはいない。今は危険な兆候を見抜く力がついているし、もっとたくさん質問をするようになった。デート候補の相手のネット検索も欠かさない。信用せず、より慎重になった。

ロマンチックではないかもしれないけど、これが現実。ライアンがしたことによって愛を見つけるチャンスを奪われるのは嫌だ。私からもう十分に奪った彼に、これまでも奪わせるわけにはいかない。

だから私は前に進む。前ほどオープンになれなくて悲しいし、こうなりたいわけじゃない。最後に愛を探していた15年前と今は違うし、これが少なくとも今の私だ。

ライアンも前に進んで、デートを続けるだろう。誰かをニューヨークに連れていくかもしれない。多くの女性が彼に立ち向かい、行動を非難するまで、きっと彼は人を傷つけ続けるだろう。もしかしたら、私がその女性の1人目になるかもしれない。他の人も声を上げてくれることを願ってる。

※個人のプライバシー保護のため、氏名及び個人を特定できる情報は変更しています。


ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。