知ってる?網戸を外さず時短掃除する方法。“アレ”を使って花粉や黄砂も簡単に除去

網戸掃除といえば、いちいち外さなければならないなど、どうしても面倒な印象が…。そこで、 網戸を外さずにできる簡単掃除のテクニックをプロに教えていただきました。
ウェザーニュース
年末の大掃除など以外ではあまり意識することのない網戸の汚れ。普段から溜まりがちな汚れに加えて、この春は例年に比べて花粉や黄砂の飛散が多かったため、それらが網戸に付着してしまっている可能性も高くなっているようです。

日頃は気づきにくいものの実は汚れがびっしりという網戸の清掃を、比較的時間に余裕があるゴールデンウィークの連休中に済ませてみてはいかがでしょうか。

全国で家事代行サービスなどを展開するカジタク・サプライヤチームの鈴木健吾さんに、網戸掃除のコツと時短に役立つアイテムなどについて教えて頂きました。

飛散時期が過ぎても網戸に残っている花粉や黄砂

網戸の掃除はどうしても外して行わなければならない、面倒な印象があります。窓ガラスに比べて汚れに気づきにくい網戸ですが、そんなに汚れが付いているものなのでしょうか。

「網戸には家の外側からの汚れだけでなく、内側からもたくさんの汚れが付着しています。

外側からの汚れの原因には、土ぼこりや車などから出る排気ガス、工場から出る煙などに加えて、この春に大飛散した花粉や黄砂があります。内側からの汚れの原因は、ほこりや手あか、台所の油・カビなどになります。

また、タバコのヤニも網戸を汚す大きな原因になっています。タバコの煙を屋外へ出そうと、窓を開けて吸って網戸に吹き付けてしまう方も多いはず。網戸は窓の外に設置してある物ですから、屋外に出て吸っても煙やヤニが付着してしまいます」(鈴木さん)

ウェザーニュースの観測では、2023年3月末までの全国の花粉飛散量は昨年の約2.6倍。黄砂も4月中旬に東京で2年ぶりに観測されるなど、例年に比べて網戸の汚れの原因になっているようです。

「花粉や黄砂は花粉症や呼吸器疾患がある方に、症状を悪化させてしまう恐れが高いものです。夏にかけて窓を開ける機会が増える家庭も多いと思いますが、飛散時期が過ぎても網戸に残った花粉や黄砂が室内に侵入してしまうので、注意が必要です」(鈴木さん)

花粉の本格飛散が終わったタイミングで、網戸掃除をするのが良いでしょう。

「台風シーズンが過ぎた時期も含めて最低でも半年に1回程度、網戸の掃除を行うようにしてください」(鈴木さん)

網戸掃除といえば、いちいち外さなければならないなど、どうしても面倒な印象があります。簡単で効果がある網戸掃除のテクニックがあれば、教えてください。

(1)新聞紙と掃除機を使って網戸を外さず掃除

「掃除機と新聞紙を使って、網戸を外さずに掃除する方法があります。

網戸を外すことは確かに面倒ですし、集合住宅などでベランダのスペースが狭い場合は、外して掃除することが事実上不可能だったりします。

しかし、掃除機と新聞紙を上手に使えば、網戸を外さずに限られたスペースでも簡単に掃除することが可能です。汚れが気になったとき、手軽に掃除ができるので、便利な方法といえるでしょう」(鈴木さん)
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用意するものは、網戸のゴミやホコリを吸い取るために使う掃除機と、新聞紙か大きめの広告または段ボールです。これに新聞紙などを網戸に貼り付けるためのガムテープが必要になります。

「まず、掃除機をかける反対側の網戸に新聞紙や広告紙、段ボールをガムテープでとめて覆います。反対側をふさぐことで空気が逃げていかなくなり、掃除機の吸引力が増して汚れが取れやすくなるからです。

掃除中に落ちたゴミや、窓周辺のサッシの隙間の汚れも一緒に掃除機で吸い取ってしまいましょう。

網戸の細かい目をなぞりやすいハケブラシなどを使って、上から下へとホコリを払いながら、そのまま掃除機で吸い取っていく方法もあります」(鈴木さん)

(2)手軽でエコなストッキングを使った掃除法

続いて、身近なストッキングを使った掃除法です。ストッキングは伝線して履けなくなったもので十分なので、エコにも役立ちます。
ウェザーニュース
用意するものは、使わなくなったストッキング、靴下や古布など。それと新聞紙または大きめの広告紙とガムテープです。

「網戸を外さず掃除することが可能ですが、その場合には網戸の内側(窓側)に新聞紙か広告紙を貼っておき、ほこりが周囲に飛び移るのを防ぎましょう。

ストッキングの中に靴下や古布を入れて厚みを出し、団子のようにして手に持ちやすい大きさに丸めます。そのまま、スポンジのように網戸を上から下へとなぞっていきます。

これらを使ってサッシの掃除もできます。靴下や古布を入れて厚みを出したストッキングで、サッシを拭くだけです。網戸を掃除するタイミングでサッシも一緒に掃除してしまえば、より時短になります。

繊維の細かいストッキングの静電気が網戸に付着したホコリや汚れを吸着することで、汚れがするすると取れていきます。網戸が乾いた状態が効果的ですので、他の掃除方法と併用する場合は最初に行ってください」(鈴木さん)

ストッキングによる掃除法は窓や鏡にも使え、ストッキングをハンガーなどにかぶせて部屋の隅や家具の隙間のほこりを取るのにも有効だそうです。

「これらの方法でも落ちない頑固な汚れは、スプレーボトルに200ccのぬるま湯と小さじ1杯の重曹を入れてよく振った後、網戸にスプレーし、少し時間を置いてから水に濡らしたメラミンスポンジで上から下へ軽く拭いていく方法があります。これは両面に行ってください」(鈴木さん)

日頃から網戸とサッシにこまめな手入れを

網戸を掃除する際には、どのような点に注意が必要でしょうか。

「網戸の汚れは一度付着してしまうと簡単に落とすことができず、時間が経てば経つほど落としにくくなってしまうことを認識しておいてください。普段からこまめな手入れを心がけていれば汚れが溜まりづらく、掃除も楽になります。

網戸を掃除する際には、力を入れすぎないことも肝心です。 破れやすくなったり、傷つくことで臭いが付きやすくなったりする原因になるからです。とくに日当たりのいい場所に設置された網戸は紫外線の影響で劣化が早まるため、弱い力でも破れてしまうことがあります。古い網戸も劣化で破れてしまう可能性が高いので、掃除をする前に網戸の状態を確認しておきましょう。

また、メラミンスポンジは柔らかいヤスリのような素材ですので、汚れを洗い落としているのではなく削り取っていることになります。強くこすってしまうと汚れと一緒に網戸にも傷をつけてしまいます」(鈴木さん)

暑さが増すこれからの時季、窓を開ける日も多くなり、サッシの隅の汚れも気になってきます。

「サッシにも網戸同様に車の排気ガスや砂ぼこりなど外側からの汚れと、部屋の中のほこり、人の髪の毛とフケに手あか、ペットの毛など内側からの汚れも多く付着しています。

とくに雨がちの日々の窓周辺は、結露の影響で常にジメジメとしていてカビが生えやすい場所です。サッシにカビが生えると見た目の悪さに加えて、空気中への浮遊でアレルギーを発生させるなど、人体にも悪影響を与えます。

網戸と合わせてサッシも、定期的な掃除を心がけてください」(鈴木さん)

今年のゴールデンウィークは、混雑を避けて自宅でゆっくり過ごそうという人も多いようです。そんなとき、手軽で効果的な方法で、網戸の掃除にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

参考資料など

取材協力:アクティア株式会社(https://www.kajitaku.com/)

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