中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題で、会社が工場長に対し就業規則で定められた手続きを踏まずに降格処分を繰り返していたことが外部の弁護士でつくる特別調査委員会のまとめた調査報告書で分かった。
報告書によると、降格処分を受けた工場長は2020年に延べ20人、21年に延べ15人、22年に延べ12人に上る。
降格処分は、全国の営業店舗を対象として定期的に実施されている環境整備点検の成績や対応が良くなかったことが主な理由だとされている。
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就業規則では降格は懲戒事由の1つとされ、社員に弁明の機会を与えるとともに賞罰委員会に諮って決定することになっているが、こうした手続きは取られていなかった。
いずれの処分も、工場長に弁明の機会は与えられておらず、一方的に通告され、基本給の大幅な減給や転勤を伴うこともあったという。
報告書は「強権的な降格処分の運用の下、従業員らが経営陣からの指示に盲従し、これを忖度(そんたく)する歪(いびつ)な企業風土が醸成されていたといわざるを得ない」と指摘。
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「そのような企業風土を背景として、工場従業員らが営業ノルマを達成するために、不適切な保険金請求に及んでいた側面があることは明らかだ」と結論づけている。
保険金の不正請求を巡っては、ビッグモーター社内で不合理なノルマが設定され、プレッシャーに耐えかねた工場長らが不適切な行為に手を染めた。
損害保険会社へ保険金を水増し請求するため、客から修理で預かった車に対し、工具のドライバーでわざと傷を付けたり、靴下にゴルフボールを入れてたたいたりしたケースがあったという。
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