知ってる? アウトドア用チェアのカビ汚れには“アレ”が効く。プロ直伝、効果的な落とし方と予防策とは

キャンプや自宅のベランダで使うことの多いアウトドア用チェアは汚れも付きやすいです。カビを取る方法・予防する方法を、プロが伝授します。
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ウェザーニュース
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キャンプやバーベキューなどのアウトドアシーンで使われたり、自宅のベランダに置いてくつろいだりするアウトドア用チェア(折りたたみ椅子など)は、手入れの仕方や保管方法次第ではカビが生えてしまうことがあります。

除カビ・防カビの専門会社のハーツリッチ株式会社ハーツクリーン事業部の穂苅(ほかり)さんに、カビの原因と除去、予防する保管法などを教えていただきます。

アウトドアチェアにカビが生える原因

アウトドア用チェアは、どうしてカビが生えやすいのでしょうか。

「多くのアウトドア用チェアは、骨組みが金属や木でできており、背もたれと座面が丈夫な布で作られています。使われるのは基本的に屋外なので、雨や泥、砂汚れが付着しがちです。

泥や砂には多くのカビの胞子が潜んでいて、カビはそうした汚れを栄養源に生長します。さらにカビは、アウトドア用チェアに使われる布なども栄養源にするのです。

アウトドア用チェアにカビが生える原因はいろいろありますが、まず汚れがカビの栄養源になることが挙げられます。

雨で濡れた後、十分に乾かさなかったときも、湿気を含んだアウトドア用チェアにはカビが生えがちです。

保管場所にカビが生えている場合は、いくらアウトドア用チェアを清潔に保っていてもカビが移ります。

いつも屋外に出しっぱなしにしておくことも、カビが生える原因です。雨風にさらされ、汚れも付きやすいので避けなければなりません」(穂苅さん)

アウトドア用チェアのカビを取る方法

いったん生えてしまったカビは、どうすれば取り除くことができるのでしょうか。

「生え始めたカビが広がっていない状態であれば、次の方法でカビを落とせます。

用意するものは消毒用エタノール(アルコール)、雑巾・タオル・布巾類、ゴム手袋とマスク、使い古しのブラシか歯ブラシです。

まず、肌がカビに触れたり、胞子を吸い込んだりしないようゴム手袋とマスクを着用します。

次に消毒用エタノールをスプレーします。カビ部分に重点的にかけながら、アウトドア用チェア全体にかけることが大切です。

次に固く絞ったタオル類で、カビをしっかり拭き取ります。カビが残るようであれば、ブラシか歯ブラシを使って細かく擦らなければなりません。最後に天日干しして完了です」(穂苅さん)

黒カビのような色素のあるカビはどうすれば取ることができるのでしょうか。

「消毒用エタノールには漂白効果がないので、カビを殺菌することはできても色素は残ります。その場合、酸素系漂白剤を使う方法があります。カビが生えている部分に漂白液をスプレーして、10分程度放置したら濡らしたタオルなどで漂白液が残らないようよく拭き取ります。

ただし、アウトドア用チェアの素材によっては脱色する恐れがあるので、あまりお勧めしていません。漂白剤を使う場合は必ず、目立たないところで色落ちしないか試すことが必要です」(穂苅さん)

アウトドア用チェアのカビを防ぐ方法

アウトドア用チェアにカビが生えないようにするには、どうすればいいのでしょうか。

「アウトドア用チェアの使用後は、汚れを拭き取ることが大切です。その際、ただ水拭きや乾拭きするのではなく、消毒用エタノールを使ってください。消毒用エタノールには殺菌や洗浄効果だけでなく、カビの予防効果があります。

使わないときは、屋外に放置しないことも大切です。カビが生えやすくなるだけでなく、金属部分がサビたり木材部分が腐食するなどアウトドア用チェアの劣化が早まります。物置で保管するか、カバーをかけましょう。

保管場所の手入れも必要です。埃や砂、泥や落ち葉がない状態を保ち、収納量も全体の7割程度におさえて通気性を確保してください」(穂苅さん)

アウトドア用チェアは、アウトドアシーンの重要なアイテムです。キャンプやバーベキューで楽しんだ後は、お手入れと保管を正しく行いましょう。夏休みだけでなく、秋や春の行楽シーズンにも使えるようにしておきたいですね。

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