トリプル台風が発生の恐れ。1960年の「五輪台風」って何?5つの台風が日本周辺に同時に存在していたことも

3つの台風の同時に存在するのは相当な脅威だが、日本周辺では過去、5つの台風が同時期に出現したことがある。
気象庁の台風経路図
気象庁の台風経路図
気象庁

台風9号・10号が発生している日本周辺で、8月28日にも新たな台風が発生する予報を気象庁が発表した

8月27日の時点で、日本の南のマリアナ諸島付近に位置している1つの熱帯低気圧。28日正午の予報では種別が「台風」となっており、9月1日にかけて、沖縄方向へと北西の方角に進路を取ると予想されている。

これが「台風11号」になれば、ダブル台風からトリプル台風となる可能性がある。

3つの台風の同時に存在するのは相当な脅威だが、日本周辺では過去、5つの台風が同時期に出現したことがある。

1960年の「五輪台風」だ。

いったいどんなものだったのか。データや当時の天気図などをもとに振り返る。

五輪台風って何?由来は

五輪台風とは1960年8月、日本列島を周辺に出現した台風の総称。台風14号〜18号の5つの台風が同時に存在していた。

国立情報学研究所「デジタル台風」(北本朝展研究所)によると、同時に5つの台風が存在したことから、同じ8月に開催されたローマ五輪にちなんで「五輪台風」と呼ばれたという。

ウェザーニュースの台風データベースによると、台風14号〜18号が、8月23日に同時に存在していたことが確認できる。翌24日には台風15号が消滅し、「五輪台風」はほぼ23日限定だった。

ローマ五輪は8月25日開幕のため、実際は五輪台風と期間は被っていない。

1960年8月23日午後9時の天気図を見てみよう。

1960年(昭和35年)8月23日21時の天気図
1960年(昭和35年)8月23日21時の天気図
原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」

日本を取り囲むように5つの台風が存在している。

日本列島のすぐ東の海上にある大きな渦が台風14号。天気図上に「TYPHOON6014」と書かれている。日本海側から中国本土にかけて、台風15号(TYPHOON6015)も確認できる。

同様に日本の南に台風16号(TYPHOON6016)、南西に台風17号(TS6017)、南東に台風18号(TS6018)がそれぞれ存在、位置している。

五輪台風は、台風14号から順番にベス(BESS)、カルメン(CARMEN)、デラ(DELLA)、エレイン(ELAINE)、フェイ(FAYE)と名付けられている。

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