「秋の土用」、「夏の土用」との違いとは。秋の土用には何を食べる?そもそも土用とは何?

2023年の立冬は11月8日。しかし、その前に、あまり知られていない秋の土用という雑節があることを知っていましたか?
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非常に長く、異常に暑い夏が続いたため、「もうすぐ立冬」と聞いても、ピンとこない人もいるでしょう。
しかし、今年(2023年)の立冬は11月8日なので、確かに「もうすぐ立冬」です。今年も早いもので、11月8日から暦の上では冬が始まります。
その立冬の前には「土用」があります。
えっ、どういうこと? と思われそうですが、立冬と土用には、深い関係があるのです。

「土用」は夏だけじゃない!

「土用」というと、夏を思い起こす人が多いでしょう。

夏土用(夏の土用)の中でも、「土用の丑(うし)の日」が特に有名です。

「丑の日」とは、十二支を日にちに割り当てた場合、丑の位置に巡ってくる日のことです。

十二支なので、文字どおり12あり、丑の日は12日周期で訪れます。

土用の丑の日には、夏バテ対策として、「う」の付くものを食べるとよいといわれますね。これは江戸時代半ば以降の風習で、ウナギはその一つです。

しかし、これは夏土用に限った話です。

実は土用は「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」と、1年に4回あります。土用=夏土用、とは限らないのです。

今年(2023年)の夏土用の丑の日は7月30日でした。

しかし、これ以外にも、たとえば1月19日は冬土用の丑の日、4月25日は春土用の丑の日でした。

となると、「そもそも土用とは何?」という疑問がわいてきますよね。

土用とは立春、立夏、立秋、立冬、それぞれの直前18日間のこと

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土用は「雑節(ざっせつ)」の一つで、雑節は二十四節気以外の季節の移り変わりを示す言葉です。

ほかの雑節には、節分、彼岸、八十八夜、二百十日などがあります。

土用は立春、立夏、立秋、立冬、それぞれの直前18日間を指します。上で書いたように、土用は四季ごとにあるのです。

今年の立春は2月4日、立夏は5月6日、立秋は8月8日、立冬は11月8日です。

それぞれ、この直前の18日間が土用というわけです。

たとえば、立春は暦の上で春が始まる日なので、その直前の18日間は冬です

ですから、今年の場合、春土用は立春の始まる直前の4月17日~5月5日、夏土用は7月20日~8月7日、秋土用は10月21日~11月7日、冬土用は1月17日~2月3日ということです。

土用の間、してはいけないことがある!?

土用は土公神(どくじん)という土をつかさどる神様が訪れているのだから、土に関係する種まきや畑仕事、庭仕事、さらには、埋葬や葬送を避けるべきだといわれてきました。

しかしそれでは、18日もの間、不便だし、不都合でもあります。

そこで、「間日(まび)」といわれる日は、土公神は土を離れて天上界に行くとされ、土用の期間であっても、土に関することをしてもよいとされています。
今では、あまり聞かなくなったしきたりの一つといえそうです。

「秋土用の辰の日」におすすめの食べ物は?

夏土用は「丑の日」に「う」の付く食べ物を食べるとよいとされているように、秋土用は「辰(たつ)の日」に「た」の付く食べ物などを食べるとよいといわれます。秋土用は丑の日ではなく、辰の日なのですね。

「た」の付く食べ物とは、たとえば、ダイコンやタマネギなどです。

「た」は付きませんが、秋が旬のサンマなども勧められています。

今年の秋土用の辰の日は、10月25日(水)と11月6日(月)です。

サンマの塩焼きにダイコンおろしを添えて食べるのも、よさそうですね。

土用は本来、年に4回あるのですが、今では、土用といえば、もっぱら夏土用を指します。

4つの土用の中でも、厳しい暑さへの注意が必要な夏土用が最も重視されていたためと考えられます。

「土用」は夏の季語にもなっています。

しかし本来、土用は四季ごとにあります。秋土用の入(いり)の日に、土用の意味を今一度、噛み締めてみるのもよいのではないでしょうか。

出典・参考
『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(監修者/新谷尚紀、発行所/日本文芸社)、『日本の365日に会いに行く』(編著/永岡書店編集部、発行所/永岡書店)、『12か月のきまりごと歳時記』(発行所/自由国民社)、『季節の行事を楽しむ本』(著者/織田忍、発行所/自由国民社)、『増補版 いちばんわかりやすい俳句歳時記』(著者/辻桃子・安部元気、発行所/主婦の友社)、産泰神社「このはな手帖」(https://www.santai-jinja.jp/blog/)

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