ジョージ・フロイドさん殺害で有罪の元警官、刑務所内で刺される。事件の背景や分かっていること

AP通信やNew York Timesの記事、過去の報道などをもとに背景やこれまでに分かっていることを伝える。
デレク・ショーヴィン受刑者
デレク・ショーヴィン受刑者
via Associated Press

アメリカ・ミネソタ州で2020年、ジョージ・フロイドさんの首を押さえつけて殺害した罪で収容中の警察官が、刑務所内で刺されたとAP通信などが報じた。

フロイドさん殺害事件をめぐっては、黒人の人たちに対する警察官の暴力に反対するBlack Lives Matter運動が再燃する契機となり、世界中で抗議活動などが起きた。

AP通信New York Timesの記事、過去の報道などをもとに、今回の刺傷事件の背景やこれまでに分かっていることを伝える。

刺された人物は?

刺されたのはデレク・ショーヴィン受刑者。ジョージ・フロイドさん殺害などの罪で20年以上の実刑が言い渡され、2022年からアリゾナ州の刑務所に収容されている。

フロイドさん事件を起こすまで、19年にわたってミネアポリス警察の警察官として勤務していた。

事件の状況は?

刺傷事件が起きたのは11月24日午後12時半ごろ。ショーヴィン受刑者は、他の受刑者から刺され重傷を負った。

刑務所側の声明によると、施設職員が事件の対応や刺された受刑者に対して「人命救助手段」を施したという。刺された受刑者は治療のため病院に搬送。刑務所側はこの受刑者の名前を明かしていないが、AP通信やNew York Timesは関係者の話として、ショーヴィン受刑者と伝えている。

けがをした職員はいなかった。

どんな場所だったのか?

ショーヴィン受刑者が収容されているのは、警備レベルが中程度の刑務所で、受刑者の数は400人程度。警備レベルの高い刑務所を含むこの矯正施設全体では、受刑者の総数は約1800人にのぼる。

同刑務所の公式サイト上には、この事件を受けてか、「施設訪問の一時停止」と注意書きがある。

ショーヴィン受刑者が刺された米司法省が運営する刑務所は、職員不足やセキュリティの問題を抱えていた。アリゾナ州が運営する他の刑務所でも職員が不足しており、地方裁判所は州の担当部門に対して、医療やメンタルヘルスケアのサービスが憲法で保証された基準を満たしていないとして、改善を求めていた。

ジョージ・フロイドさん事件とは

事件が起きたのは2020年5月25日。フロイドさんはアメリカ中西部、ミネソタ州のミネアポリスで警察官に首を押さえつけられ亡くなった。フロイドさんが「息ができない」と訴える様子を撮影した動画がSNSで拡散し、怒りが広がった。

事件を受けて、警察による黒人の人たちへの暴力に抗議するBlack Lives Matter運動が再燃。アメリカ全土や世界各国で大規模な抗議活動が起きた。

日本にも広がり、東京・渋谷で3500人がデモ行進した

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