法定時間を超えた「残業」について、どう感じていますか。
以前は当たり前とされることもあった、賃金が支払われない「サービス残業」については、否定的な声も増加。「職場の飲み会に、残業代や経費が出るべきでは」といった意見も見られるようになりました。
スタジオテイルは5月、20〜50代のフルタイムで働いている正社員300人を対象に、ウェブ上で残業時間に関するアンケートを行い、6月5日に結果を発表しました。
◆「仕事が終わらない場合もサービス残業はするべきではない」は6割
「月の残業時間は平均」は、もっとも多かったの「月10~20時間」(27%)、次いで「月10時間未満」(26%)でした。
「月の残業時間は、どれくらいから多いと感じるか」では、「月20時間以上」が全体の30%。20代では半分以上が「月20時間以上」の残業を多いと回答。残業が発生すること自体に否定的なコメントも目立ちました。
「与えられた仕事が終わらない場合はサービス残業も検討すべきと思いますか」については、「思う」が16%、「思わない」が62%、「どちらともいえない」が23%でした。
「サービス残業が当たり前という空気が蔓延してしまうと職場内のモチベーションが下がるので、たとえ仕事ができなかろうと規定の残業代はしっかりと支払われるべき」(男性、医療・福祉)、「非効率にだらだら働いている分は残業にするべきではない」(男性、小売)といった声が上がりました。
◆「飲み会は残業代を出すべき」は3割
「会社の飲み会に参加した時間は、残業代として支給すべきと思いますか」の問いに対し、「思う」は29%、「思わない」は52%、「どちらともいえない」は19%でした。年代別に見ると、20代のみが「思う」と答えた人の方が多くなっています。
「ほとんど接待みたいなものだから、意味がない」(20代、IT/通信)、「強制で出席しなければならない飲み会は残業代を出すべき。強制じゃなくても断れない雰囲気を出さないでほしい」(40代、医療・福祉)といった声が上がりました。
また、「残業代としてではなく、飲み会にかかった費用だけ負担してもらえれば」(女性、サービス)といった意見もありました。
今回のアンケートでは、「残業は発生しない」と答えた人は全体の9%にとどまり、91%の人が日々の業務で残業を経験していることがわかりました。
調査の担当者は、「コメントからは、残業代による『お金』よりも、残業をなくすことで確保できる「時間」を優先するべきという意見が多く見られました。『与えられた仕事が終わらない場合のサービス残業』に対しては、特に20代で否定的な意見が多く、『飲み会の時間は残業代として支給すべき』との見解も20代で最も多くなっています」と解説。
「年代別の意識・価値観の違いは、働き方や生き方に深く関係しています。若い世代ほど、ワークライフバランスを重視し、残業を極力避けようという考えの人が多く見られます」と指摘した上で、「現代社会では働き方の多様性が求められています。企業や管理者は、こうした世相に応じて、従業員一人一人の価値観を尊重し、柔軟な労働環境や人事制度を構築することが求められるでしょう」としています。