排外的な主張目立つ参院選、「権威主義と右傾化のつながりが進行」アムネスティ日本が懸念を訴え

排外主義的な政策・主張を掲げる候補者らの動きについて、アムネスティ日本事務局長の田嶋俊博さんは、「欧米とよく似た傾向が現れてきているのではないかと危惧しています」と述べた。
記者会見するアムネスティ・インターナショナル日本、LGBT法連合会、難民支援協会のメンバーら(東京・千代田、2025年7月4日)
記者会見するアムネスティ・インターナショナル日本、LGBT法連合会、難民支援協会のメンバーら(東京・千代田、2025年7月4日)
Machi Kunizaki

参院選(7月3日公示、20日投開票)をめぐり、人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」事務局長の田嶋俊博さんは7月4日の記者会見で、「権威主義と右傾化のつながりが進んできているのではないか」と懸念を表明した。

この日、同団体は人権課題に関する全候補者を対象にしたアンケート結果を公表した

排外主義的な政策・主張を掲げる政党や候補者の動きについて、田嶋さんは「権威主義の世界的な広がりを注視しています。日本においては、権威主義と右傾化のつながりが進んできているのではないか。欧米とよく似た傾向が現れてきているのではないかと危惧しています」と述べた。

今回の調査では、性的指向・性自認に基づく差別禁止の法制化など、LGBTQ当事者の人権に関わる質問も尋ねている。

アンケートに協力したLGBT法連合会参事の西山朗さんは、「性的マイノリティに対するバッシングは、2023年のLGBT理解増進法の成立前後から強くなっている。各候補者や政党から今後どのような主張が出てくるかは、非常に注視しなければいけないこと」だと話した。

同じくアンケートの協力団体である難民支援協会の生田志織さん(渉外チーム政策提言担当)は、調査について「難民や移民の人々が選挙の当事者となり得ない中で、その人たちがスケープゴートになりかねない社会情勢に対し、一石を投じる取り組み」だと説明した。

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