
結婚の平等の法制化、国内人権機関の設置に積極的な候補者は誰━?
アムネスティ・インターナショナル日本は7月4日、参院選(7月3日公示、20日投開票)の全ての立候補者を対象とした、「人権課題」への意識に関する調査結果を発表した。
調査は、人権課題に対する候補者の関心や立場を明らかにすることで、投票に当たっての判断材料にしてもらうことを目的に実施された。
調査期間は6月23日〜7月3日。立候補者321人にアンケートを送付し、123人から回答を得た(7月3日午後3時時点)。
政党別の候補者の回答数は、共産42人、立憲28人、国民11人、社民8人、維新7人、公明6人、自民5人、参政4人、れいわ2人などだった。れいわのみ、党としても調査に回答した。
質問項目は、LGBTQや気候変動、難民認定といった、国内外の人権問題で全15問。回答者は、「そう思わない」から「そう思う」までの5段階から選択する形式だ。
例えば、「難民条約の締約国として、日本の難民認定状況を改善するべきだ」という質問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と答えた候補者数の最多は共産の42人で、立憲28人、社民8人と続いた。
一方、「どちらともいえない」「あまりそう思わない」は自民が最も多く5人、次いで参政が4人だった。

「保守系政党の意見、十分に反映されず」
調査に回答した候補者数は、政党ごとに著しい偏りが見られた。
共産と社民はほとんどの候補者が回答した一方で、自民と参政は1割以下にとどまった。
アムネスティ・インターナショナル日本事務局長の田嶋俊博さんは、「アンケート結果は、人権課題に積極的な候補者や政党の姿勢を可視化する一方で、保守系政党や消極的な候補者の意見が十分に反映されていない」と、調査の課題も説明した。
その上で、田嶋さんは「今回の結果を通じて、候補者、有権者、社会全体が人権の価値を再確認し、対話と行動を広げていくことを強く呼びかけます」と訴えた。
各候補者の回答の詳細は、アムネスティ日本の公式サイトで見ることができる。
質問リストの例は以下の通り。
▼難民・移民
Q.難民認定に関する入管庁から独立した組織や、難民保護に関する法律が必要だ
▼出入国管理における収容、送還
Q.迫害を受けるおそれがある国に難民申請者を送還するべきではない
▼LGBTQ
Q.性的指向・性自認に基づく差別禁止を法制化すべき
Q.日本でも同性婚を認めるべきだ
▼気候変動
Q.気候変動対策は人権にも影響を及ぼす重要課題なので、国際的な努力に貢献すべく日本は積極的に取り組むべきだ
(取材・執筆=國﨑万智@machikunizaki.bsky.social)
