マクドナルド・フィリピンはこのほど、人気アイドルグループ「BTS」のマスコットが付録のハッピーセットを発売するに際し、食事を「寄付」できるプランを用意し、食品ロス対策に乗り出した。
日本では8月、「ポケモン」のカードがついてくるハッピーセットを販売した際に、カードの転売目的などの客が食事を廃棄したり、放置したりするケースが発生し、「食品ロス」が問題に。消費者庁も日本マクドナルドに対し、販売方法を改善するよう要望していた。
マクドナルド・フィリピンの担当者は、対策のきっかけの一つには、日本でのハッピーセットをめぐる食品ロス問題発生もあったと説明する。

ハッピーセットの食事「寄付」プラン、どんな内容?
マクドナルド・フィリピンが実施している、ハッピーセットの食事「寄付」プランとはどのようなものなのだろうか。
この取り組みは、BTS関連のマスコットが付録につくハッピーセット発売日の9月26日にスタート。「TinyTAN」という、BTSのメンバー7人が小さなマスコットになったおもちゃがついてくるハッピーセットで、マスコットは「ブラインド・ボックス」という中が見えない仕様のボックスに入っている。
発売後も、推しのマスコットや、全種類を集めたいBTSファンの中で大きな話題になっている。
寄付プランの注文はシンプルだ。ハッピーセット注文の際に、食事を寄付する旨を伝え、おもちゃだけ受け取ると、「ロナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ」が支援する子どもたちやその家族に食事が寄付されるという仕組みだ。同社によると、食事の寄付は寄付数を総計した後、11・12月に行われる。開始以来、多くの客に利用されているという。
マクドナルド・フィリピンの担当者はハフポスト日本版の取材に対し、フィリピンでもBTSが非常に人気のため、TinyTANのマスコット付きのハッピーセットには多くの客が殺到することを想定したと説明。そして、「日本で最近起きたハッピーセットの食品ロス問題を踏まえて、今回の対策を講じた」とした。
これまでも、世界各地のマクドナルドで、ハッピーセットの売り上げの一部を寄付するなどの取り組みは行われてきたが、食品ロス対策で食事を寄付するプランをつくったのはフィリピンでは初だという。
「素晴らしい取り組み」「私の国でもやって」と反響
マクドナルド・フィリピンは、食事寄付プランについてXなどSNSでも告知。
投稿には「良いね!」「素晴らしい取り組みをやってくれてありがとう」とのコメントが寄せられている。
さらには海外からも「すごく良いアイディア!アメリカでもやってくれたら良いのに」「私の国でもやってほしい。私もハッピーセットの食事を寄付したい」との声があがった。
ハフポスト日本版は、日本マクドナルドに、食事寄付プランの実施予定や検討している状況はあるかと書面にて取材。
取材に対し、同社は「日本マクドナルドは、ハッピーセットをより多くのお子様の手元にお届けするため、またより良い店舗体験をご提供するため、最適な対応方法を検討し続けております。そのような状況下でありますため、この度のお問合せに関しましては回答を差し控えたい」と説明した。
日本マクドナルドは8月の食品ロス問題の後、公式アプリで大量注文を繰り返していたアカウントを利用停止にしたり、購入数を制限したりという対策を行っている。
(取材・文=冨田すみれ子)