「ヤマネコが太平洋に発生」どういうこと? 台風の命名ルールを調べてみた【台風24号】

当初の予定では「ハト」になるはずでした
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アジア圏に生息するベンガルヤマネコのイメージ写真
アジア圏に生息するベンガルヤマネコのイメージ写真
chuchart duangdaw via Getty Images

11月12日午後9時、ウェーク島近海の太平洋上で「ヤマネコ」が発生したとウェザーニュースなどが報じた。字面だけ追うと、大海原に巨大な猫でも出現したかのようにみえるが、実はこれ、台風の名前だ。一体、なぜこんな名前になったのだろうか。

■台風24号は国際名では「ヤマネコ」に

2022年の日本名「台風24号」は、アジア地域の国際名だと「ヤマネコ」となる。

気象庁によると台風24号は13日正午現在、アメリカ領の絶海の孤島「ウェーク島」の近海で、北へ毎時15kmで進んでいる。

中心気圧は1004ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は秒速18メートル。この台風は、15日午前9時には温帯低気圧に変わる見込み。

日本列島からは距離があるため、直接の影響は少ないとみられる。

■2000年からアジア各国の提案で140個の台風名を命名。5〜6年でループする仕組み

しかし、なぜ「ヤマネコ」という名前がついたのだろうか。気象庁の資料によると、台風の国際的な名称はアメリカが命名する英語の人名が使われていたが、14カ国からなる「台風委員会」が2000年から、各国が提案した140の名前を使うことになった。2000年の台風1号が、カンボジアでゾウを意味する「ダムレイ」と命名されてスタートした。

アジア各地域の文化を尊重することや、アジアの人々になじみのある呼び名をつけることによって人々の防災意識を高めることが狙いだ。

140個を使い終わると最初にループする。ループするのにかかる期間は、おおむね5〜6年だという。

■コイヌ、ヤギ、ウサギ……。日本提案の10個は星座の名前から採用。そうなった3つの理由とは?

日本が提案しているのはヤマネコのほか、コイヌ、ヤギ、ウサギ、カジキ、コト、クジラ、コグマ、コンパス、トカゲの10個。動物の名前が多いが、実は共通点は「星座名に由来する名前」。ヤマネコは「やまねこ座」に由来しているのだ。

星座名になった理由について、気象庁では以下の3つの理由を列挙している。

・特定の個人・法人の名称や商標、地名、天気現象名でない「中立的な」名称
・「自然」の事物であって比較的利害関係が生じにくい
・台風とイメージ上の関連がある天空にあり、人々に親しまれている

また、アジア各国で採用するにあたり以下の3つを含む条件を考慮したとしている。

・文字数が多過ぎない(アルファベット9文字以内)
・音節が多くなくて発音しやすい
・他の加盟国・地域の言語で感情を害するような意味を持たない

■もともとは「ハト」になるはずが、「ヤマネコ」に改名。その背景は?

もともと今回の台風24号は、2000年当時のリストでは順番的に「ハト」になるはずだった。しかし、「ハト」は2017年の台風13号を最後に使用中止となった。2018年に開かれた第50回台風委員会で、日本はハトの代わりに、ヤマネコ、トケイ、サンカクの3案を提示。このうち第1候補だった「ヤマネコ」が採用された。

2017年の「ハト」はマカオなどを通過し、中国の国内だけで22人が亡くなるなど大きな被害をもたらした

気象庁の資料では「大きな災害をもたらした台風などは、台風委員会の加盟国・地域からの要請を受けて、そのアジア名を以後の台風に使用しないように変更することがあります」と説明している。