先日、在日エクアドル大使館での勉強会に参加した。
大使や書記官による国の歴史や文化などをレクチャー形式によるものだった。
在日エクアドル大使館は西麻布の交差点近くの1棟ビルにあり、そのビルに他国の10以上の大使館が別の会あるいは同じ階にひしめきあっているのを見て驚いた。
大使館は過去にエジプト、パキスタン、キューバに行ったことがあるが、エジプトとパキスタンは立派な一戸建てで、キューバは雑居ビルに入っており、今回のエクアドル大使館を見て、キューバを思い出した。
エクアドルは南米にあり過去にはバナナ、カカオ、石油が輸出品目としてブームになった国である。大使の説明には出てこなかったが、勉強会の最中に外務省のHPを見ていたら、エクアドルが一院制であることに気がついた。
私は衆議院、参議院の二院制を取っている日本や上院、下院がある米国など先進国の議会制度を見慣れているので一院制というと中国みたいな一党独裁を思わずイメージしてしまう。
ただ、昨今わが国では参議院不要論も議論され、私もどうしても政局争いになって国会が止まってしまう原因を作りうる参議院はどうなんだろうと思うこともあるが、そういった感情とは裏腹に世界を見渡すと二院制は年々増えている。
【二院制を採用している国】
1995年 180カ国中53カ国
1999年 178か国中63カ国
2002年 179か国中65カ国
2003年 183カ国中68カ国
↓↓
2016年 192か国中77カ国
元々、二院制の発祥は英国である。英国の植民地であった米国もその影響を受け二院制になった。日本はドイツの影響を受けて1889年の大日本帝国憲法制定から二院制となっている。
フランスなんかは歴史を振り返ると二院制になったり、一院制になったりしている。
さて、私は市議会議員であり衆議院議員でも参議院議員でもないので国会制度について是非を問う立場にはないのだが、二院制について考えるヒントになる言葉を2つ見つけたので最後にご紹介する。引用は「二院制をめぐる論点(田中嘉彦)」からである。
「第二院は何の役に立つのか。もしそれが第一院に一致するならば、無用であり、もしそれに反対するならば、有害である。」(フランス革命期の理論的指導者シェイエス)
「理想的な下院が存在する場合には上院は不必要であり、また、それゆえに有害でもある。しかし、現実の下院を見ると、修正機能を持ち、また政治に専念する第二院を設置しておくことは、必要不可欠とはいえないにしても、極めて有益である。」(19世紀イギリスのジャーナリストのウォルター・バジョット)
皆さんはどちらのセリフが腑に落ちるだろうか?
東猴 史紘
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