4月末に提出した2014年度の政務活動費の収支報告について、修正がほぼ完了。議員としての残務処理もあとわずかとなった。これら収支報告はやがて閲覧が可能となり、それとともにオンブズマンが資料をもとに調査を実施することになるだろう。
議員生活を送った4年間の政務活動費に関して私も調査を受けた。この間に提出した領収書は、1000を優に超す。オンブズマン諸氏は、これらを丹念にチェックしたようだが、その中で1枚だけ、購入した物品の使途に関する記載漏れがあり修正を行った。
そのことを知らせてくれた担当の県職員は「かなり細かいところまでチェックしたのに何枚か漏れたものがある。とても悔しい」と話すなど、千葉県では厳しいチェックがなされており、兵庫県で問題になったようなことは起きようがないのである。
それでも、各オンブズマン団体からチェックの申し入れが後を絶たない。あるオンブズマンは、議員全体の合計で3万枚以上の領収書をコピーして調査を行い、その結果、カラ出張、切手購入などの不正が一切見つからなかったことから、「ホームページにすべて公開すべきなのではないか」と調査とは関係ないことを悔しそうに職員に言って立ち去ったという。
こうしたオンブズマンの活動、外部によるチェックは必要であり、決して否定はしない。しかし、これだけの労力を惜しまないのであれば、もっとして欲しいことがあると思っている。それは、議員の政策や議会活動に関してだ。
議会で無駄をなくす――そうした観点から、政務活動費が適正に使われているかどうかのチェックは、重ねて記すことになりながら、意義が大きい。だが、支払う税金の額を考えるのであれば、議員報酬が活動に見合ったものかの調査の方が重要と思うのは私だけであろうか。真面目に政策に取り組んできた者として、その点について声を大にして言いたいのである。
公約と活動の整合性など切り口は少なくない。議会における活動が行政にどれだけ反映されているか――これも、現在は多くの自治体で各議員が何を質問したかを、ネット中継の録画を視聴すれば検証できるため、概略だけを知るだけなら難しい作業ではないだろう。3万枚の領収書とにらめっこする労力を厭わないのであれば、それをこうしたことに活かして欲しい。
これは報酬だけではなく、政務活動費の活動に見合った使われ方という意味でも重要な意味を持つ。今のチェックは不正の有無に力点が置かれている印象が強く、本質的な意味で適正に使用されているかどうかまで調査で踏み込んだとは言えない。
私も行っていたが、「議会報告」なるチラシを配布、またはホームページに公開する議員が多くいる。しかし、これらは内容が詳細に記してあっても客観的ではない。やはり、第三者が公平な視点での評価が必要と思うのである。
それを行っても「税金泥棒のような議員がなくなることはない」といった声も出てくるだろう。だが、こうした客観的な情報が少しでも増えれば、「質問をまったくしない」「政策に取り組んでいない」「実現不能な公約が多い」「他人の実績を自分の実績として語る」「視察が議会活動に反映されていない」――といった議員や、パフォーマンス議員など、税金泥棒と言われる議員の淘汰に繋がるのではないか。