新大関照ノ富士、78年ぶりの快挙なるか

大相撲名古屋場所は、新大関照ノ富士が絶好調だ。私は大関昇進時から"久しぶりに、横綱が期待できる大関"と見ており、強さが一段と増すと、年内の第72代横綱推挙もあり得る。

■照ノ富士に期待

大相撲名古屋場所は、新大関照ノ富士が絶好調だ。私は大関昇進時から"久しぶりに、横綱が期待できる大関"と見ており、強さが一段と増すと、年内の第72代横綱推挙もあり得る。

今場所も照ノ富士が優勝すると、「関脇と大関で連覇」となる。調べたところ、双葉山が1936年夏場所と1937年春場所(当時、年2場所11日制)で記録しており、以来78年間誰も成し遂げていない。さらに、双葉山の69連勝は関脇時代から始まっており、大関在位2場所、勝率10割という不滅の大記録を打ち立て、第35代横綱に推挙された。

照ノ富士にそこまで求めるのは酷だが、少なくとも連覇しそうな雰囲気がある。ほかの3大関も刺激を受けてほしいところだが、今場所もファンの期待に応えられそうもない。

■「後の先」で賜杯奪還を目指す第69代横綱白鵬

優勝争いの筆頭となるのは、やはり白鵬だ。今場所は初日の宝富士戦で苦戦しているように見えた。「相手力士が力をつけてきた」、「白鵬の体力が徐々に衰えている」という見方もあるが、私は前半戦を「後の先」で臨んでいると思う。

後の先とは、「立ち合いで、相手よりあとに立ちながら、自分に有利な体勢にもっていくこと」で、双葉山がよく使う手だったという。白鵬は63連勝の頃から、後の先に取り組んでいた。

休場明けの第71代横綱鶴竜は、強い危機感からか全力で相撲をとっているのに対し、白鵬は余裕がある。私は"下位力士には、後の先で力をセーブし、横綱・大関戦で全力を尽くす"と見る。

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