いいなぁ こういう流れがもっと世界的に増えれば。
音楽好きなテクノロジー業界やウェブ界隈では音楽サービスの話題が増えましたが、注目しているのはエンドユーザーだけではありません。
米音楽業界メディアBillboardの調べによれば、2013年に音楽サービス、音楽プロモーション企業、レコード会社、マネジメント、音楽出版社などを含む音楽ビジネスへの投資額は24億ドルに上ったことがわかりました。投資は57件、多くは小規模なデジタルスタートアップへの投資でした。
大きな投資案件では、ワーナーミュージックのパーロフォン・レコード買収が最大の投資で、買収額7億6500万ドルは全体の投資額のおよそ1/3を占めました。
EDMイベント・プロモーション最大手SFX Entertainmentは、世界最大級のEDMフェス「TomorrowLand」や「Sensation」などを運営するオランダのEDMイベントプロモーターID&Tを1億3000万ドルで買収、ヨーロッパで野外EDMフェス「Nature One」を運営するI-Motionを2000万ドルで買収、オーストラリアでEDMフェス「Stereosonic」や「Creamfield Australia」を運営するTotem OneLove Groupを6910万ドルで買収し、世界規模でEDMイベントプロモーションの勢力拡大を実現しました。
音楽ライセンスを活用したサービスは、契約の問題やマネタイゼーションへの不透明なビジネスモデルなどにより、運営が難しいと言われますが、2013年はシード・アーリーラウンドでの投資やIPOも含め投資総額は8億3880万ドルに上り、全体の49%を占めました。ネットラジオ・サービスには4件で合計4億4330万ドルのディールが行われ、Pandoraの3億9330万ドルが他社を圧倒的に凌駕し、次にTuneInが調達した2500万ドル、DeliRadioが調達した940万ドル、Songzaが調達した470万ドルとなっています。
音楽ストリーミングサービスへの投資が投資家の間では最も積極的に行われました。投資の対象も収益性よりも、今後のスケーラビリティや勢いへの注目が高まっていることが投資対象の要因となりました。音楽と動画のオンデマンド型音楽ストリーミングサービスは、4億650万ドルと巨額になり、Spotifyの2億5000万ドルの新規資金調達が最高額でした。
もう1社音楽業界で大きなバズを巻き起こしているのが、1月21日から始まった新しい定額制サービスのBeats Musicです。人気の高級ヘッドフォンブランドBeats by Dr. Dreを運営するBeats Electronicsは、音楽サービス用にAccess Industries(ワーナーミュージックの親会社)から6000万ドルの資金調達を行いました。ちなみに2012年にAccess IndustriesはDeezerに1億3000万ドルの投資を行っています。
音楽への投資を行った投資家の中には複数のスタートアップに投資している投資家もいます。また世界で最もリッチな男カルロス・スリムによるShazamへの4000万ドルの投資は大型案件でしたが、SongdrpやMFiveLabsなどが調達した投資は比較的小規模な額になりました。
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ソース
(2014年2月21日「All Digital Music」より転載)