私は就職活動中に、社会人の方から「ホスピタリティの仕事では"道を尋ねられる人"であることが大切です」というお話を聞きました。つまり"話しかけやすい人"であることです。
お客様はもちろんのこと、一緒に働く仲間、上司や先輩、家族、仕事以外の場所でも同じことです。知り合いでも他人でも、"話しを聴いてほしい""もっと仲良くなりたい"と思われるような雰囲気は、その人のゆとりや内面を映し出しているのではないでしょうか。
また、私が教育の仕事をするようになった際にも「いつも30%の笑顔でいるように」という言葉をかけていました。お客様に楽しんでいただくためにも、家族や後輩や上司が相談しやすいためにも、お願いしやすいためにも。コミュニケーションの始まりと向上にとてもプラスの要素です。お客様が不満を持ち帰ることなく快適に過ごしていただき、家族や仲間が自発的でエネルギーに満ち溢れた場となり、上司から育てたい・仕事をお願いしたいと思われるようになります。
そして、いつも30%の笑顔でいることで、すぐに100%の笑顔になりやすいのです。あなたの素敵な魅力を引き出す笑顔の土台となります。
楽しいことがないのに笑えません、こんな状況で笑えません、笑える相手ではありません、笑っていたら怒られました......そんな時もあります。
そのような状態の時は"相手に自分の状態を作られる"人になっているのです。いつも周りの環境に自分自身が振り回されてしまう、そんな心の習慣を作っています。「相手が私を不愉快にさせた」「相手が私の思うようにしてくれなかった」という考えがどこかにあり、「相手」に責任転嫁をしているのです。本当は「自分が不愉快になった」「自分が上手に気持ちを伝えることが出来なかった」のではないでしょうか。
相手と過去は変えられません。変えられるのは自分と未来だけです。30%の笑顔を作ってみてください。自然と気持ちにゆとりが生まれます。負のオーラは負のスパイラルを作り、平安な思いはプラスのエネルギーを作りだします。「何かあった?」「疲れているのかな?」「少し話を聞かせて」とマイナスを受け入れて浄化して、自分の力で一緒にベストな状態に変えていけるようになれば、相手も自分もHappyです。
人間には108の煩悩があると言われています。生きているのだから、それを失くすことは大変難しいものです。それでも、振り回されずに自分自身と上手に付き合っていくことは出来るのです。人間の三毒である「欲・グチ・怒り」をどのように浄化して平和なエネルギーに変えていけるかが、「幸感力」なのではないでしょうか。
ヨガでは"呼吸"を最も大切にしています。クラスの中でも、顔の表情や目つきで、緊張している人や力が入っている人、カタチにとらわれて自分と闘っている人を見ると"呼吸が出来ていないな"と、分かります。穏やかでリラックスした表情の人は、伸び伸びと深くゆったりとした呼吸が出来ており、マインドも安定しています。呼吸が整うと、自分のペースも保てるようになります。呼吸=自分の状態を表します。
心がザワついたら、一度そこから離れて静けさの中で目を閉じてみる。毎日の生活の中にもヨガを取り入れてマインドの状態とエネルギーの方向が「平和でありますように」という慈悲の心を育てていくことで、日常に喜びと幸せを感じることが出来ます。さぁ、気持ちの良い呼吸をしましょう。
文章:Akko(ヨガインストラクター)