転移によってがんが広がる際の重要な段階の一つは、血流中の腫瘍細胞が内皮障壁を越えて循環系から脱出する段階である。今回、腫瘍細胞の管外遊出を促進する新たな機構が報告された。
アミロイド前駆体タンパク質を発現する腫瘍細胞は、DR6(Death Receptor 6)シグナル伝達経路を介して、内皮細胞のプログラム壊死(ネクロトーシス)を誘導することが示された。マウスモデルでネクロトーシス調節因子を抑制すると、転移コロニー形成が減少したことから、これががんの全身播種に関わる段階であることが示唆される。
Nature536, 7615
2016年8月11日
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doi:10.1038/nature19076
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