細胞はDNAヌクレオチドをde novoに合成するだけでなく、死んだ細胞から回収したヌクレオチドを再利用する。ヌクレオチド再利用経路が、5-ヒドロキシメチル-2′ デオキシシチジン(5hmdC)や5-ホルミル-2′ デオキシシチジン(5fdC)などのさまざまな酸化型5-メチル化シトシンをどのように扱っているのかは分かっていない。
今回、S Kriaucionisたちは、ヌクレオチド再利用経路には基質選択性があり、新規に合成されたDNAにエピジェネティックに修飾されたシトシンが取り込まれることを防いでいること明らかにしている。しかし、シチジンデアミナーゼ(CDA)を過剰発現した一部のがん細胞は、5hmdCや5fdCの過剰発現に感受性があり、DNA損傷や細胞死につながる。これらのヌクレオシドバリアントに基づく薬剤は、CDAを過剰発現するがんに対する化学療法となる可能性があると著者たちは考えている。
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Nature524, 7563
2015年8月6日
原著論文:
doi:10.1038/nature14948
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