高温誘電体としてのポリマーナノ複合材料

容量性エネルギー蓄積用の誘電体材料は、例えば電気自動車や航空宇宙応用で使われる場合、過酷な条件下で機能する必要がある。

高温でのエネルギー蓄積を可能にする、新しいポリマーナノ複合材料。 Credit: Q. Li

容量性エネルギー蓄積用の誘電体材料は、例えば電気自動車や航空宇宙応用で使われる場合、過酷な条件下で機能する必要がある。ポリマー誘電体は、軽いため出力重量比の観点から見ると魅力的だが、電力インバーターの一般的な動作温度で絶縁破壊する傾向があった。

今回Q Wangたちは、ポリマーナノ複合材料に窒化ホウ素ナノシートを加えることで放熱特性が向上し、その結果これまでのポリマー誘電体材料が動作可能な温度よりもはるかに高い温度で機能する誘電体材料が得られることを実証している。こうした新しいナノ複合材料は、軽くて丈夫で柔軟な上、光パターニングが可能でスケーラブルなので、電子デバイス用として従来のセラミック誘電体よりも魅力的な材料となる可能性がある。

Nature523, 7562

2015年7月30日

原著論文:

doi:10.1038/nature14647

【関連記事】

発光織物の実現に向けて前進Nature Photonics 9, 233-238 2015年3月24日

紫外線を利用した化学物質の浄化Nature Communications 6, 7765 2015年7月22日

注目記事