地方創生関連法案のうち、地域再生法の改正案、地方分権関連法案は昨日の参議院消費者・地方特別委員会にて可決され、本日の本会議にて成立致しました。

石破 茂 です。

地方創生関連法案のうち、地域再生法の改正案、地方分権関連法案は昨日の参議院消費者・地方特別委員会にて可決され、本日の本会議にて成立致しました。

参議院においては特区関連法を内閣委員会で審議することになっているため、会期内にすべて成立するかどうか微妙な情勢となっています。恐らく会期は延長となるのでしょうが、早期成立のためもう少し努力が必要です。

参議院における私が所掌する法案の審議は比較的平穏で、有り難いことだと思っております。

会派が多いため、質問者一人あたりの時間が短くて議論が深まらないままに終わってしまうことがあるのは残念ですが、まだまだ今後議論の機会はあるのですから、こちらも十分に準備を重ねたいと思います。

特に地域における公共交通のあり方は、コンパクトビレッジやコンパクトシティを成功させるための重要な鍵となるもので、ドイツやフランスの例もよく研究して解を出したいと思っています(この点につき、「地域再生の戦略 交通まちづくりというアプローチ」宇都宮浄人著・ちくま新書 は示唆に富んだ書です)。

「本来保守的な社会にあっては、悲痛や憤怒の念が強い主張よりも、抑制された、静かな主張のほうがより説得力を持つのである」

情緒的・条件反射的なご主張に接するたび、高校生の頃に読んだ故・フルブライト元米国上院外交委員長のこの言葉を思い出します。

「安全保障法案は戦争法案だ!」「CCRC構想は地方に『姥捨て山』をつくるものだ!」「農地課税の見直しは許せない!」などという論は、当方の説明不足もあるのかもしれませんが、制度や構想の本来の趣旨をよくご理解されたうえでご発言いただきたいものです。

反対の結論は同じでも、よくよくお考えの上でのご議論には当方も啓発されることが多く、とても参考になるのですが、ただ罵詈雑言を投げつけられただけではどうしようもありません。

新聞紙上には「政府・与党9月まで会期を延長」などという観測記事が載っていますが、見通しがよくわかりません。世論的にも、学説的にも「憲法違反の安全保障法制」というような流れが形成されつつあるようで、会期を延長したとして、これを挽回するにはどうすればよいのか、担当大臣ならずとも思案せざるをえません。

わが党所属の議員が、積極的に街頭に出て、竹下登総理が消費税導入の時に述べられた先人の言葉「もし聞く人なくば、たとひ辻立ちして成(なり)とも吾(われ)志を述べん」のごとくに努めねばならないのかもしれません。

一昨日の党首討論は、やや議論にすれ違いがみられ、少し残念に思いました。岡田氏が「徴兵制は違憲だと言っているが、これも総理が変われば合憲に変わりうるのか」と質問しましたが、これは朝日新聞や東京新聞によれば、かつての私の発言を念頭に置いたものだそうです。

その流れで今日は珍しく、衆議院の特別委員会に呼ばれて答弁することになりました。

内閣の一員として政府の見解に従うことは当然のことであり、また私自身が日本において現在も将来も徴兵制をとるべきではないと思っていることは、2010年に当欄にも記しましたし、著書でも述べました。

一方で、これまた以前にも述べたことですが、かつてNATOの現状視察でドイツを訪問した際、なぜドイツは徴兵制を維持しているのかを議論した時の光景を今も私は強烈に覚えています(今はドイツにおいて徴兵制は「停止」されています)。 

与野党問わず、参加したすべてのドイツの国会議員から「軍隊は市民とともにあらねばならず、軍人は軍人である前に市民であらねばならない。軍が市民社会と隔絶した存在であったからこそナチスが台頭したのであり、あのようなことを二度と繰り返さないためにこそ徴兵制は必要なのだ」との論が展開されたことに、強い衝撃を受けました。

最近まで徴兵制を維持していたフランスにおいては、市民による国家を市民が守ることは当然の義務である、との論を多く聞きましたし、永世中立国・平和国家として多くの日本人の憧憬の的であるスイスにおいては、いまでも憲法に国民皆兵が明記され、2013年には徴兵制廃止の提案が国民投票で否決されています。

日本と欧米では、近代市民社会の成り立ちが根本から異なっていることを改めて痛感させられます。

集団的自衛権の議論も、「世界の中の日本」という意味ではその構図に似たものがあるように思います。

選挙権が18歳に引き下げられることとなり、我々もこれに見合った対応をしなくてはなりません。

「日本はちっとも国民主権の国ではない。あれもしてくれ、これもしてくれ、と要求だけしているのは(主権者である君主に対する)臣民、サブジェクトの立場なのであって、決して主権者ではない」と喝破されたのは故・田中美知太郎先生ですが、主権者としての在り方を正しく学ばせる教育の在り方も同時に求められています。

週末は、20日土曜日が鳥取県東部医師連盟にて講演(鳥取市内)。

21日日曜日が大分県豊後大野市市制施行10周年記念特別講演会で講演、地方自治体関係者、自民党関係者との懇談会、佐伯市市制施行10周年記念特別講演会で講演、佐伯市内防災施設視察(豊後高田市・佐伯市内)という日程です。

もう6月も後半なのですね。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

(2015年6月19日「石破茂ブログ」より転載)

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