臨時国会開会に向けて

このところ落ち着いてこの欄を記す時間が取れない状態が続いております。大変申し訳なく思っておりますが、何卒諸事情ご了察下さいませ。
時事通信社

 石破 茂 です。

 このところ落ち着いてこの欄を記す時間が取れない状態が続いております。大変申し訳なく思っておりますが、何卒諸事情ご了察下さいませ。

来週月曜日からは臨時国会が始まり、地方創生法案他の御審議を頂くことになっており、少ない人数の中で、独立した省庁のような官房機能を持たない組織を回しながらこの「地方創生」という仕事を軌道に乗せるのは容易なことではありません。

 明確に方向性を示し、それを不可逆的にするところまでは何とか成し遂げたいと思っております。

 「バラマキを断固排除する」「地域の熱意と知恵を政府が支援する」というのが総理からもお示し頂いた指針ですが、現状の補助金・交付金・交付税は必ずしもその精神に則っているとは言い難い面もありますし、今まで連綿とそのような状態が続いてきたのはそれなりにカンファタプルな面があったからではないでしょうか。一括交付金は政策目的が限定されることなく自由度が高い半面、政策効果が検証されにくいものですし、各省ごとの個別補助金は地域ごとのニーズが反映されにくいものです。地方交付税は財源不足を補う財源保障機能と、地方間の格差を是正する財源調整機能を有していますが、これだけでは結果平等を志向することにしかなりません。

 検証システムを確立するとともに、地方交付税制度のあり方をもう一度研究する必要があるのかも知れません。単なる思い付きに終わらせないために、基礎的な知識を整理した上できちんとした議論を周到に積み重ねる必要があるように思います。

 今週のお勧め本は、「現代史の虚実」(秦郁彦著・文芸春秋)と「地域プラットフォームによる観光まちづくり」(大社 充著・学芸出版社)です。

 「現代史の虚実」は「自虐でも自賛でもない実証的歴史観」とは何なのかを考えさせられます。

 「...観光まちづくり」はこの方面の第一人者であり、この度地方創生会議の有識者会議のメンバーにも就任された筆者の、現場主義に立脚した極めて示唆に富む本で、とても面白く読みました。

 週末は27日土曜日が須藤昭男群馬県議会議長就任祝賀会での講演(群馬県みどり市)。

 28日日曜日が鳥取・岡山両県合同ショップ「ももてなし」(岡山の桃と鳥取の梨を「おもてなし」にひっかけた造語だそうです。いろいろなことを考える人がいるものですね。ひたすら感心。)のオープニング行事(東京都港区新橋)と、第10回東京・北京フォーラムでのパネルディスカッションへの出席となっています。

 もう来週からは10月です。早くもクリスマス商品の案内が届いたりして、いつもながらの焦燥感にかられます。

 皆様、良い週末をお元気でお過ごしくださいませ。

(2014年9月26日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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