高校生インターン受け入れ2日目。
午前中は街頭演説体験や取材対応同席などをしてもらいつつ、
今日も精力的に休会中の議員の本分である調査・研究に参加してもらいました。
そんな中で、質疑応答にも積極的に発言をしている高校生の感想。
「…行政の方って、案外と数字に詳しくないですね。。」
いや、そーなんですよ。。
全員が全員そうだと言うわけではありませんが、
民間企業と比べて一番弱い点はここかもしれません。
「この東京都が作ったリーフレットは、大変評判が良くてですね!」
「…へえ!どれだけ部数を作成して、どれくらいの期間でどれだけ消化したんですか?」
「…わかりません」
「ここ数年で、動物の殺処分の数は激減しています」
「それによって、行政コストはどれくらい抑えられたのでしょうか?」
「…全体の中で予算を組んでいるため、個別の数値はちょっと。。」
一事が万事、こんな感じだったりします。
例えば『評判が良い』というのは、民間のビジネスで言えば売上=数字に他なりませんが、
行政は定性的な評価をそのまま鵜呑みにしちゃったりしてるんですよね。。
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そして午後は両角都議&そのインターンチームとも合流して、
こちら施設の視察へ。
東京都しごとセンター
もともとは高齢者就労支援をしていた機能が拡張して、
年代別・性別に合わせてきめ細かな就労支援を行っている総合センターです。
東京都から委託を受けて、「東京しごと財団」という外郭団体が運営しています。
ハローワークや民間の人材会社との住み分けがイマイチ不明確で、
壮大なハコモノとの批判も一部から受けているこの施設ですが、
ここでも不思議な数字が…
「就職率」という数字を実績としてカウントしているのですが、
65パーセントとか73パーセントという勇ましい数字が並び、
なんと利用者の54パーセントが就職に成功したことになっています。
これが事実なら素晴らしいのですが、よく見てみると
1年間で来所した「新規利用者」の数を母数として、
就職者数で割って就職率を算出しているんですね。
でもこれって、ちょっと考えてみればおかしな話で、
この施設を利用した年間で利用した「ユニークユーザー」の数を母数として、
就職率を算出するのが正しいやり方のはずです(新規だけにすれば、就職率は当然上がる)。
わざわざ「再来(≒延べ人数らしい)」という項目を作っておいて、
ユニークユーザーのカウントもしているはずなのに、
どうしてこんな不可解な計算をしているのかと聞くと、
「ハローワークと同じ算出方法を採用している」
とのことで、まずそこから設計がおかしいようです…。
こちらが行っているサービスも、
・しごとセンターが独自事業でやっているもの
・インテリジェンスやパソナなどの民間事業者に委託しているもの
・国が運営しているハローワークが管轄しているもの
という三者が複雑に絡み合っておりまして、
「それぞれの良さを活かしたベストミックス」
というと聞こえはいいし、そういった側面もゼロではないと思いますが、
無理やり仕事のための仕事、役割のための役割を生み出している感も否めません。
特にハローワークとの住み分けはひどくて、
しごとセンターは20時まで営業しているにも関わらず、
同じ敷地内にあるハローワークは18時半にシャッターが閉まって営業が終了します。
どれだけ縦割りなんだ…(苦笑)。
多くの有識者たちから、国(厚労省)が所管するハローワークと、
区市町村や広域自治体が行う就労支援事業との二重行政はかねてより指摘されており、
また18時半クローズに象徴されるハロワの殿様商売っぷりも問題視されているところです。
この「東京しごとセンター」にも毎年約40億円の予算が組まれておりますので、
民間事業者の手が届かない労働者たちを支援するという目的は達成されつつも、
無駄や二重行政を徹底的に失くしていくように政策提言をしていきたいと思います。
ちなみに、ここがやっているセミナーやキャリア相談はかなり充実していて良いと思います。
都内で就活する方であれば(新卒もOK!)すべて無料で利用できますので、
機会があったらぜひとも足を運んで見てください。
子育て中の女性の方はなんと、「保育バウチャー」ももらえちゃいます!
(去年7月から始まった制度で、私も初めて知りました…)
女性しごと応援テラス
税金が投入されているのに使われない、ということほど無駄はありませんので、
こうした広報もしっかりと行ってもらいたい&私もお手伝いしていきたいですね。
それでは、また明日。
(2015年7月28日「おときた駿公式ブログ」より転載)