総合スーパーが苦戦!ビジネスモデルの転換を急ぐ
食品や衣料品、家電・家具など1つの店舗で何でも買える総合スーパー「GMS(General merchandise store)」の苦戦が続いています。
大手のイオン・イトーヨーカ堂・ユニーのGMS事業は近年赤字傾向。2016年3月~11月期で業界1位のイオンは350億円、2位のイトーヨーカ堂は43億円の営業赤字となりました。3位のユニーは16年3~11月期で60億円と営業利益がプラスとなりましたが、2019年2月までに全店舗のおよそ15%にあたる36店舗の閉鎖を計画するなど構造改革を余儀なくされています。
GMSは食料品の特売で集客し、利益率の高い衣料品や日用雑貨で収益を獲得するというビジネスモデルをとってきました。しかし近年、衣料品や日用雑貨でユニクロやニトリのような専門店に顧客を奪われ、このビジネスモデルが成り立たなくなってきています。
また食料品に関してもGMSは経営効率を優先して一括仕入れが多いため、どこも似たような品揃えで面白みがないという声もあります。一方専門の食料品スーパーは地域の住民に合わせた品揃えで人気を集めており、比較的売上が好調です。
ユニーは吸引力のあるCCCと提携
大手3社では、既存のGMS店舗の改築が進められています。
ユニーは、TSUTAYAを経営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と提携したリニューアルを実施。第一号として名古屋の「アピタ新守山店」の改築を始めています。リニューアル店舗では衣料品や日用雑貨などの自社の売り場を縮小し、代わりにCCCの運営するTSUTYAやスターバックス、フードコートやヨガスタジオを取り込みます。狙いは話題性のある売り場作りが得意なCCC運営店舗による、施設全体の来店客数の押し上げ。自前の売り場は減ることになりますが、増加の見込まれる家族連れや女性客に向けた商品を充実させ、売上拡大を目指します。
他にも、イオンがGMSに専門店の売り場を組み合わせて買い物の利便性を高めたり、イトーヨーカ堂がGMSを食品スーパーとマンションとの複合施設へ再開発する計画を発表したりと、新たな店舗の形に転換を図り始めています。
今後、急速な変化が予想されるGMSの形。今後どのような形に生まれ変わっていくのか、注目です。
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