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2014年12月23日 18時22分 JST | 更新 2015年02月21日 19時12分 JST

「楽園」キューバは変わる?スーパーにジュースが3種類しかないガチ共産国はこれからどうなるのか?

この国が、アメリカと国交を正常化することでどう変わるのでしょうか?私は、おそらく「普通の国」に近づいていくのだと思います。

Maria Pavlova via Getty Images

ついに、アメリカとキューバが国境正常化に動きだしました。

キューバとの国交正常化に向け、アメリカが交渉開始へ 背景に何があったのか

世界で最も日本と異質な国、カリブ海のガラパゴス、キューバ。

この国が、ついにアメリカと再度繋がることになるのです。

フィデル・カストロやチェ・ゲバラによる独立戦争以来、アメリカに反旗を翻し21世紀の今までガチで共産主義をやっている国。実際その地に降り立ってみると、想像を絶する光景が広がっています。

街に走っているのは1960年代のアメリカ車と、1970年代のソ連車。クラシックカーがガチで現役の交通手段として走っているのです。これは、アメリカをはじめとする西側諸国が経済制裁として車などの輸入を禁じており、自国で車を製造する能力のないキューバは、古い車を直し直し使っているからです。

私が旅先でしりあったキューバ人のおっさんも「俺の車は1972年のソ連産だからね。君よりも年上だよ。」と言っていました。

ものが不足しているのは車だけでなく、電化製品から食料からありとあらゆるものが足りていません。スーパーマーケットに行って、ジュースの棚にキューバ産コーラとスプライトとオレンジジュースの3種類しか置いてないのは衝撃的です。日本ならコンビニの棚に数十種類のジュースが置いてあるのに、たったの3種類ですよ。

こんなものがない国だから、国民はさぞかし不幸だろうと思いますが、実はそんなことはありません。異常な治安の良さの中、人々は日々のんびりと毎日を楽しんでいます。

道ばたで唄を歌い、踊りを踊り、見知らぬ人と談笑する。

それを、来る日も来る日も繰り返す。

彼らは仕事はおそろしく、しません。チェ・ゲバラがあまりの働かなさに工業化を断念したそうですが、店番は寝ている、ガードマンも寝ている、レストランに入ったらメニューが出るまで30分なんてことはざらです。

このなんともいえない、ゆるくて、怠惰で、陽気な雰囲気が、日本と真逆の空気を生み出しているのです。

こんな、世界でも他に類を見ないキューバという国。

カリブ海に浮かぶ島国であり、陽気で誇り高い人たちが住んでおり、海外との貿易が長年絶たれていたことが生み出した奇跡の様な場所です。

この国が、アメリカと国交を正常化することでどう変わるのでしょうか?

私は、おそらく「普通の国」に近づいていくのだと思います。

私がキューバを訪れた2008年でも、実はクラシックカー以外の車も走り始めていました。中国産の観光用大型バスです。

高級スーパーに行くと、中国産のコカコーラも売っていました。

社会主義つながりの中国からものが輸入され、少しずつ先進国的なものが増えてきていたのです。そして、この様なものを購入できるのは一部の裕福層のみ。キューバには2種類の通貨があり、外国人向けの通貨を稼げる人たちだけが購入できたのです。社会主義の中で始まる貧富の格差のはじまりです。

アメリカと国交が生まれれば一気にものが増え、観光客が増え、産業が増え、キューバの街は一新されていくでしょう。それはキューバ人にとって幸せなことなのでしょうか?不幸なことなのでしょうか?

何人ものキューバ人と話しをしていたら、2008年のキューバを「楽園」と思っている人が半分、「牢獄」と思っている人が半分でした。

「どんなに頑張っても、俺たちはこの貧しい生活から脱することが出来ない。俺の夢は亡命して他の国に行くことだ」と愚痴をこぼすキューバ人に何人も出会ってきました。陽気な音楽と古き良き空気に包まれた「楽園」は、もがいてももがいても何も変化を起こせない「牢獄」でもあるのです。

ニューヨークヤンキースに行けば年俸10億円稼げるような野球選手が、国家公務員として月給数万円で野球をしている様な国は、「何かをやりたい」と思っている人にとっては地獄です。

そんな人にとってアメリカとの国交回復は、天からおりてきた蜘蛛の糸でしょう。

ただ、毎日適当に働いて、夜な夜な歌と踊りを楽しみ、ときどき知り合いの車でピクニックに行ければ幸せという人たちの生活は大きく変わっていくかもしれません。キューバでメンタルヘルスとか過労死とかいう言葉が生まれたら悲しいです。

私は、2008-9年にビジネスクラスで世界一周旅行をするという暴挙にでました。

その1年間でまわった35カ国で「どこが一番よかった?」と聞かれた時に、必ず「キューバ」と答えます。先進国で生まれ育った我々が想像も出来ないような社会がそこにはあるからです。

当時から周りの友人・知人に「キューバはこれから変わるから、一刻も早く行くべきだ」と伝えていました。そして、2014年末、まさに「時は来た」です。

ぜひ、21世紀に残された「楽園」をその目でみてきてください。

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