最近ではドローンの飛行レースは珍しくない。しかしドローン・コミュニティーで始まった小さな実験がESPNテレビとの提携を含めた大掛かりなイベントに発展した。
脳波でコンピュータを制御するBCI(brain-computer interface)は以前から各地で研究されている。まだ実用化としては早期の段階ではあるが、このテクノロジーは運動機能に障害を持つユーザーが義肢を操作するために用いられている。
しかしBCIテクノロジーで飛行するドローンを操作するとなると、これはまったく新しい応用だ。
先週、フロリダ大学ではBCIソフトウェアを利用してDJI Phantomドローンを操作する初のコンテストを開催した。ドローンは映画のように高速で飛び回るというわけにはいかなかったが、16人パイロットは10四方の屋内飛行区画でドローンを操縦するために努力した。
レースの見た目はやや平凡だったが、なんといっても飛行が脳で直接コントロールされているというのは驚きだ。
その仕組はこうだ。
ドローンのパイロットは個人別にカリブレーションされた脳波を電子的に読み取るヘッドセットを装着する。装着者に「何かを前方に動かす」ことをイメージするよう求めると、そのニューロン活動が脳波として読み取られる。これがドローンの操縦桿を前方に倒すデータとして記録され、次に同様の脳波が読み取られると実際にドローンを前進させるわけだ。
原理としては新しいゲームをプレイする際に固有のキーボード操作を覚えるのと変わりない。ただこの場合は用いられるのがキーボードではなく脳波を読み取るヘッドセットだという違いがある。
ビデオを見ればわかるとおり、脳波コントロール・ドローンはまだ本気のレースに使えるほどの反応速度に達していない。しかしテクノロジーの進歩は速い。近い将来BCIはわれわれの日常生活に入り込み、さまざまなデバイスを操作するのに利用されるようになるだろう。
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(2016年4月26日 TechCrunch 日本版「フロリダ大の世界初の脳波コントロール・ドローン・レース、ESPNで放映」より転載)
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