われわれは自分の死後に残されたデジタルライフをある程度管理できるようになった。今日(米国時間2/12)、Facebookはユーザーが死後に自分のFacebookプロフィールを一部管理する遺産管理人(legacy contact)を選定できる制度をスタートさせた。
これまで、ユーザーが亡くなったときは友人がFacebookに通報し、それを受けてFacebookがアカウントをメモリアル・ページに移していた。しかし今後は、ユーザーがあらかじめ遺産管理人を選定しておけば、その人物がプロフィールのトップに逝去の事実と葬儀の日時場所を掲載することができる。またプロフィール写真を適切なものに更新し、友達リクエストを処理する権限も与えられる。
死後にFacebookプロフィールを一切残したくない場合は、Facebookにそのむね通告しておけば、あなたが天上のソーシャルネットワークに参加した後、Facebookがプロフィールを消去してくれる。
Facebookのプロダクト・マネージャー、Vanessa Callison-Burchは私の取材に対して「亡くなったユーザーのプロフィールを処理するコミュニティー・オペレーション・チームは、デジタル遺産の処理に関連する悲しい話をたくさん知っています」と語った。
例えば、ある女性が死んだとき、プロフィール写真は可愛い魚だった。女性の母親は娘を記念するようなプロフィール写真に変えたいと願った。また亡くなった子供のいとこがその死を知ってから友達に加えたがった。
亡くなったユーザーのプロフィール・ページにはそのことを知らせるために"Remembering"というテキストが名前の上に付け加えられる。
遺産管理人を指定するには設定->セキュキュリティー設定->Legacy Contactを開けばよい〔日本版ではまだこの機能は設定されていない〕。ここには「デジタル遺言」のひな形が用意されているので、自分にあった文章に書き直せばよい。さらに遺産管理人がユーザーの投稿した全コンテンツ(近況や写真)をダウンロードすることを許可するかどうかも選べる。
ただし、遺産管理人は「デジタル遺言」のメッセージ自体を事前に読むことはできない。Callison-Burchは「Facebookとしても熟慮した上で、故人の意志とプライバシーを最大限に尊重するためにこのようにしました」と語った。
遺産管理人は故人に代わって新たな投稿をしたり、プロフィールからコンテンツを削除したりすることはできない。これは遺産管理人が「故人のコンテンツをきれいにする」義務があるように感じないようにするためだという。
別の記事でも書いたが、Facebookは今や全人生の記録だ。
Facebookでは両親が『子供が生まれます!』と投稿する。ママのお腹の中にいるうちにすでにたくさんの『いいね!』を獲得する。大勢の両親の友達が胎児の超音波画像を見る。人々は生まれる前からFacebookで人生を始めている。
そしてユーザーは死後もFacebook上に存在を遺す。あなたのプロフィールはメモリアル・ページに移され、友達の間に多くの瞬間が永く記憶される。あなたはこの世界に存在する前からFacebookに存在していたが、この世界から存在しなくなってもFacebook上に存在し続けるのだ。
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(翻訳:滑川海彦@FacebookGoogle+)
(2015年2月13日TechCrunch Japan「Facebook、ユーザーの死後にアカウントを管理する『デジタル遺産管理人』制度を開始」より転載)
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