決して得体の知れないUSBメモリーを使ってはいけない。あなたのパソコン、いやあなたの命を損うかもしれない侵入ソフトウェアが山ほどある。そしてこのUSBメモリーは、USBコントローラーに過大な電圧負荷をかけることによって、パソコンを物理的に破壊する。アニメの腹ペコおおかみのACME人間大砲みたいなものだ。ドッカーン!
このUSBドライブの基本的アイデアは極めて単純だ。パソコンのUSBポートにつながると、反転DC/DCコンバーターが作動してコンデンサーをマイナス110Vに帯電させる。その電圧になるとDC/DCコンバーターは切断される。それと同時に電解トランジスタが作動する。これが -110 VをUSBインターフェースの信号線に送り込む。コンデンサーの電圧が -7Vになると、トランジスタが切断されDC/DCが動きだす。このループは破壊できる限りのものを破壊し終えるまで続く。電気に詳しい人なら、なぜ負電圧を使うのかもう想像できるだろう。それ以外の人のために説明すると、負電圧の方が整流が容易で、それを使うNチャネル電解トランジスタは、Pチャネルと比べて同じサイズでより大きい電流を作ることができる。
要するに、このUSBメモリーには巨大な電力を引き出して蓄積するしかけが入っている。あるレベルに達すると、その電力を元の供給源に戻し、それは専用のUSBコントローラあるいはCPUそのものだ。これは悪いニュースだ。戻された電力は回路に過負荷をかけ、使いものにならなくしてしまう。多くのUSBコントローラーはCPUに内蔵されているので・・・バイバイ、コンピューター。
恐ろしい。幸い作者はこのUSBメモリの設計図を公開していない。
世の中には注意するに足るほど数多くの侵入USBメモリーが出回っている。知らぬ間にマルウェアや侵入ソフトウェアをインストールするものもあるが、現在少なくとも1つ、実際にパソコンを破壊するものが存在する。これはコリン・ファレルのスパイ映画から抜け出てきたような話であり、Appleの未来へのビジョンにとっても興味深い話題だ。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)
【関連記事】
(2015年3月13日TechCrunch Japanより転載)