こんにちは!エン・ジャパンでコピーライターを務める長谷川です。突然ですが私、よくまわりの人から「営業とか向いてなさそうだよね~」と言われることがあります。職種的に「ものを書く人」のイメージがあるからでしょうか。
いやはや、じつは本当に提案や交渉がニガテ。我ながら、「営業」にはなれそうにないなぁ...と感じる場面ばかりです。
こんなふうに、向いてないことや苦手なことってきっと誰にでもあると思います。でも、自分や他者の思う「得意・不得意」をあらゆる選択の軸に置くことって、はたして正解なのでしょうか?
──エン・ジャパンには、12年前に「営業」として入社し、現在企画部のマネージャーを務める女性社員がいます。彼女の名前は大西絵梨。「企画といえば大西さん!」の呼び声が高く、明るく元気なイメージの強い大西ですが、じつは、極度の人見知りなのだとか。そして、大学時代に志望していた職業は「ライター」。
彼女はなぜ、最初のキャリアに営業を選んだのでしょうか。なぜ、企画へ異動することとなったのでしょう。そして、なぜマネージャーに...?その数々の選択に、何かヒントがあるかもしれません。
エン・ジャパンの中途求人メディア事業部で「企画部マネージャー」を務める大西。2006年に新卒で入社した彼女は、企業の中途採用を支援する部署で「求人広告の営業」を2年経験。2年目の夏には、営業組織内で立ち上がった新部門の事業推進などを任されました。
そこで約3年、さらにまた3年新サービスの立ち上げを経験した後、『エン転職』の販促企画を中心に手がける「企画部」へ異動。2016年よりマネージャーに着任し、現在は新商品や新サービスの開発にかかわる企画を中心に任されています。
「営業」と「企画」の2つの職種、そして「マネージャー」というポジションを経験している大西。彼女が常に大事にしているのは、「今しかできないことをやる」という考え方です。
「今やっていることは、すべて未来につながっていると思う。だから、自分に何か声がかかったらまずは挑戦してみようと思うんです」。そう強く語る大西。
その仕事が何の役に立つのか、自分に向いているのか、そういったことは考えない。「何事もやってみなければ分からない」と言うのです。
「10年後の自分が何に興味を持っているかなんて、正直分からないじゃないですか。だからこそ、"やりたい時にやりたいことができる"自分でいたい。今いる環境で、相手の期待に120%応える。それを続けていけば、自然とできることが増えているはずだから──」。
ライター志望から「営業」へ
彼女がエン・ジャパンを選び、「営業」の道へ進んだ理由もそうでした。もともとは編集やライターの仕事に興味を持っていた大西。就職活動を進めていく中で、エン・ジャパンのコピーライターという仕事に出会います。総合職採用だった大西は、入社前に人事担当者から「ライターと営業好きなほうを選んで良いよ」と言われたそう。当然ライターを選ぶと思いきや、そこで彼女が選んだのは、「営業」。
「今しかできないことはなんだろう?」そう考えた時、大西の頭に浮かんだのは「若いうちに営業として少しでも多くの企業に出会い、世の中を知ること」だったのです。
「苦しい」。だからこそ、考え続けた営業時代
こうして「営業」として始まった大西のキャリア。彼女が任されていたのは、採用に困っている中小企業にアプローチをし、『エン転職』への広告掲載を提案する仕事です。
入社当初は「とにかくキツかった」と語る大西。営業としての最初の仕事は企業への「電話」。「自分のお客さんがいないうちは、やることが電話しかないんです。しかも人見知りで話すことも得意じゃなかったので、苦しさが先行して(笑)でも、だから"どうしたら楽しくなるか"を常に考えていました」。
苦しさを楽しさに変えるために大西がまず行なったのは、「シミュレーション」でした。自分に与えられた目標を達成するためには、何件電話をかけて、何件企業に訪問して、単価いくらで商品を売ったら良いのか。それらを細かくシミュレーションして、自ら上司に提出したといいます。
昔から知的好奇心が強く、よく調べたり考えたりするタイプだったという大西。そんな、光るものがあった彼女の「考える力」は、当時の上司による一見冷たい(?)指導のおかげで、さらに養われていくことになります。
手取り足取り教えてくれるタイプではなかった大西の上司。たとえば、大西が初めて企業を訪問したときのこと。先輩たちが企業にお礼のメールを送っていることを知った彼女は、上司に「どんなメールを送っているんですか?」と聞いたそうです。すると上司は、「お客様がどんなメールをもらったら嬉しいか、まずは自分で考えて作ってみろ」とひと言。
些細なことでも「まずは自分で考える」。この教えこそが、企画職で華を咲かせた大西の礎となったのです。
仕事を呼ぶのは、「職種」ではない
2年目に入り、沢山の後輩を迎えた大西。圧倒的に新人の多い組織状況に課題感を抱き、「どうしたら新人教育を上手く行なえるか」を考え上司に提案したこともあったといいます。そんな姿勢が上司の目にとまり、2年目の夏、いよいよ大西に「組織内の新部門の立ち上げを一緒にやってほしい」と声がかかりました。
「自分の働き方を見てくれている人がいることを知って、純粋に嬉しかったですね」と語る大西。同時に、仕事は自分の手で掴めるものだと実感した、とも彼女は言います。
「営業の大西」ではなく、「大西絵梨」自身に仕事が来る。自分がこの先どんな職種になったとしても、そういう状況を作っていきたい。「また大西と仕事をしたい」と思ってもらえるよう、目の前のことを精一杯やる。その繰り返しが未来をつくることに、彼女は気づいたのでした。
企画は「褒められない」仕事
その後、10年にわたり企画の道を歩むこととなった大西。エン・ジャパンにおける営業と企画の決定的な違いは「成果がすぐにあらわれないこと」でした。毎月目標があり、達成したら賞賛を受ける営業職とは違い、企画は2~3年かけてゼロから新しいものをカタチにしていく仕事。分かりやすく"褒められる"という機会はぐんと減るのだそう。
「私自身はあまりギャップを感じなかったですが、やっぱり営業を経験してきたメンバーの中には苦しんでいる子もいますね」と心配そうな表情を浮かべる大西。マネージャーとして、メンバーにどう声をかけたら良いか悩むこともあるといいます。
「一つだけ言えるのは、やっぱりどうしたら自分が楽しめるかを考えるのが大事ってこと。企画は調整業務が7割だから、スムーズに進められて気持ち良いとか、○○さんに褒められて嬉しいとか。そんな風に、人との関わり合いの中に喜びを見出していく。ある意味、私は幸せのハードルが低いのかもしれないですね(笑)」
──ここでも、"考える"という彼女の強みが活かされているようです。
「異動して10年経った今でも、営業時代に感謝しない日はない」と話す大西。たとえば「この予算達成のために、営業一人ひとりの行動量をこのくらい増やそう」という意見が出たとき。現場感を知っているからこそ、「それはかなりキツい」「このくらいならイケる」という判断ができます。商品をリリースした際にパンフレットのデザインを考えるときもそう。営業時代に日々お客さんと対峙していたからこそ、相手のリアルな反応を想像できるのです。
「それに、営業から企画になっても、メンバーからマネージャーになっても、考え方のフレームワークは何一つ変わらない。これまでの経験はすべてつながっている」と、大西は教えてくれました。
また、マネージャーの道を選んだのは、大西にとって大きな転機でした。
「人の上に立つ仕事なんて絶対向いてないと思ってたから、最初は全然やるつもりなくて。でも、仕事は断らないっていうポリシーが邪魔をしたんですよね(笑)」
そんな大西が、「今では心からマネージャーをやって良かったと思う」と言うから驚きです。「管理職になると、毎日予測不能なことが起きる。でも、責任があるからどんなに小さなことでも真剣に考えるし、これまでより勉強もするようになった」。指導する立場こそが、一番成長できる。そのことを、彼女は身を持って学んだといいます。
「役職者が集まる場に参加する機会も増えて、世界が大きく広がった。もちろん大変だと思うこともあるけど、日々新しい自分に出会えることがほんとうに嬉しい」。それは「マネージャー」という肩書きから出た言葉ではなく、純粋に今を楽しむ「大西絵梨」から出た言葉のように感じました。
最後に、「どうして12年もエン・ジャパンで働き続けてこられたのですか?」と聞いてみました。
うーん、と悩みながら、「良い会社だと思うし、良い会社にしたいからかな」と答えた大西。彼女の言う"良い会社"とは、頑張っている人が報われる環境という意味だそうです。
「できる人」「得意な人」ではなく「頑張っている人」に仕事がめぐってくるこの環境で、これからも思いっきり仕事がしたい!と、いつもの笑顔を見せる大西でした。
彼女の最大の魅力は、"自由さ"かもしれません。面白いと思うことはどんどん発信し、やりたいと思うことは必ず「やりたい!」と公言する。かと思えば、「どんなに仕事が楽しくても、月曜日は普通に会社行きたくないって思いますよ」なんて一面も見せる。そんな天真爛漫さに、周囲の人たちはみんな心を掴まれるのでしょう。
不得手なことは、誰にでもある。でも、きっと「できっこないこと」なんてないのだろう。何を選んだら良いか分からなくなったら、大西のように「今しかできないことってなんだろう?」と少し立ち止まってみてほしい。それは「肩書き」や「キャリア」のためではなく、”未来の私”が笑うため。そうして「一歩踏み出した自分」を信じて、まっすぐ進めばいいのです。
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