SXSWインタラクティブに行ってきた-1

中でも個人的に面白いと思ったものを3つ選んでピックアップしてまとめてみた。
Yuri Shinoda

テキサス州の州都ではあるものの、日本ではまだまだ知名度が低いオースティンに、いつになく日本人が増えて街全体が活気付く一週間。SXSW(サウスバイサウスェスト)が今年も開催されている。SXSWは、最新テクノロジー・製品(プロトタイプを含む)の展示会であるSXSW Interactive 、映画祭のSXSW Film、そして音楽祭のSXSW Musicという3本の軸からなる大きなイベントで、その規模は年々膨らんでいっている。オースティンのダウンタウンの様々な場所で展示やイベント、ライブやパーティーが開催され、多くの人々が最新のアイデアやエンタメ、そしてコネクションを求めて街に集う。

Yuri Shinoda
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私は昨年に続き、SXSW Interactiveの会場内にある日本企業ブースで手伝いをした。会場入りした初日にまず驚いたのは、日本企業セクションの大きさだ。大体昨年の2倍の大きさに膨れ上がっており、他国と比べて大きなスペースを陣取っていた。

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四日間、簡単には入れない(通常10万越えのパスが必要)ショーケースで沢山面白いものを見させてもらった中で、中でも個人的に面白いと思ったものをピックアップしてまとめてみた。

1. Todai To Texas

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東大のコンペで選ばれたスタートアップやプロジェクト7つがTodai To Texasという括りで出展している区画があり、同じ学生の身としてとても刺激を受けた。

中でも片耳難聴の人のためのメガネは、身近に同様な友達を持つ身として大変興味深かった。このメガネは、補聴器が目立つという悩みを解消するべく、メガネフレームにマイクや骨伝導の装置を入れたもので、一見少し厚めのオシャレメガネのように見えるから驚きだった。これからフレームを薄くしたり、形をカスタマイズしたりできるようプロジェクトを進めていくという。補聴器のオシャレを楽しめる時代が来るだろう。

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他にも、特殊な構造(特定方向からの力を加えた時にある一定の形、硬さになる)をパソコンで計算・製作し、その構造を車のバンパーや病院のベッドに応用することで安全性の向上や節電につなげようと開発を進める企業などがあった。

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日常生活をより豊かにするようなアイデアや技術を大学生、院生が現実のものにしていてとても面白かった。

2. SUSHI TELEPORTATION

これに関しては面白いというより衝撃的だった。

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ゲルで食品の味、感触、匂いや栄養素を再現して、元の食品と全く変わらない(ゲルからできているということを除いて)食品を作るという。デモンストレーションでは、ロボットアームがアイロンビーズを作るような要領で一つ一つのパーツを並べてお寿司の形を作っていた。今の段階ではおでんをゲルで完全再現することに成功しているという。この技術の開発がどんどん進めば、テレビに出てくる美味しそうな食べ物をゲルで再現して家で食べたり、宇宙飛行士がお寿司と全く変わらない食品を宇宙で食べるなどという、完全SFの夢が現実になる日が来るだろう。

3. The Avocado Show

みんな大好き、アボカドのフランチャイズ化をしているというアムステルダムの企業があった。

ブースはなく、小さな丸机とパソコンのみというとてもコンパクトな出展だったが、野菜をフランチャイズ化してしまうというアイデアがとても面白かった。アボカドをふんだんに使った料理を出すレストランの経営、アボカド柄の洋服、タオル、アボカドにまつわる本の販売など、色々なビジネスを展開しているという。スーパーヒーローが原作のコミックを飛び出して映画やテレビ、ゲームなどに活躍の場を広げるのはよくあることだが、アボカドにももしかしたらそのような潜在能力があり、アボカドをプロデュースするこの会社はそれに気づいているのかもしれない。

(この記事の続編 SXSW インタラクティブに行ってきた② では、会場内に沢山あった最先端のVR・AR関連のプロダクトと、体験した感想について書きます)

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