入院中のネルソン・マンデラ元大統領が18日、95歳の誕生日を迎え、各地で祝賀の催しが開かれた。マンデラ氏が入院している首都プレトリアの病院前では回復を願う多くの市民が集まり、歌や踊りで祝った。朝日新聞デジタルが伝えた。
南アからの報道によると、全国の学校では18日、児童たちが「ハッピー・バースデー」を合唱。マンデラ氏が入院中の病院近くには大勢の市民が集まり、歌や踊りでお祝いしたと時事通信は伝えている。
マンデラ氏は肺感染症の再発で先月8日から病院で治療を受けており、重篤状態が続いている。今回の入院は過去6カ月間で4度目。
南アフリカの大統領府は18日に声明を発表し、「医師団はマンデラ氏の容体が着実に改善していると話している」と発表。「政府と南アフリカ国民を代表して、マディバ(マンデラ氏の愛称)に誕生日おめでとうと伝えたい」とロイターは伝えている。
■誕生日は南アフリカ国民が奉仕活動を行う「ネルソン・マンデラ国際デー」
NHKによると、マンデラ氏の誕生日にあたる18日はアパルトヘイト=人種隔離政策の撤廃運動を率い、初の黒人大統領となったあとも人種間の融和に努めるなど社会に尽くしたマンデラ氏をたたえて、国連が「ネルソン・マンデラ国際デー」と定めている。
南アフリカではこの日は国民が奉仕活動を行うことになっていて、このうち首都プレトリアの小学校では、マンデラ氏の2人の孫娘も参加して、地域の人たちが手作りのスープとパンを子どもたちにふるまった。
孫娘の1人、スワティ・ドラミニさんは「きょうは子どもたちに祖父の理想を伝えるとても大切な日で、この日を迎えられてうれしいです」と話した。
ヨハネスブルク郊外ソウェト地区から来たモアビさん(39)は「彼の精神は我々を結び続けている。消えることはない。祈りが届き、まだ10年は我々と一緒にいて欲しい」と語った。
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