安倍政権の信を問う第23回参議院選挙が21日、投開票された。自民党は選挙区、比例区ともに改選前の議席数を上回り、公明党とあわせて、全議席の過半数の議席を獲得。衆参のねじれが解消した。参院選で落選した候補者たちは何を語ったのか。その言葉を紹介する。
【東京選挙区】
6月の都議選での惨敗を受け、現職2人の候補者を一本化した民主党。大河原雅子氏の公認を取り消して鈴木寛氏に絞ったが、鈴木氏は3選を逃した。民主は、結党以来初めて東京選挙区での議席を失った。
無所属で立候補した大河原雅子氏は、トップ当選だった前回と一転、厳しい選挙戦となった。
候補者選びが難航していたみんなの党からは、公示の約2週間前に桐島ローランド氏が立候補を表明。渡辺喜美・党代表や母で作家の桐島洋子氏も応援に駆けつけたが、およばなかった。
民主現職・鈴木寛氏
大変厳しい結果だったと思いますし、一緒に頑張って下さったみなさんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
(敗因は)いま結果が出たところで分からない。民主党に対して逆風の中、素晴らしいチームで、日本一のチームだったと思います。すごくうれしく思うし、みんなと闘えたこと誇りに思う。結果としては、有権者の皆さんに東京選挙区の議席を託す人としてふさわしいと思ってもらえなかった。誰かと比べるという話ではない。
首都東京で、民主党、民主主義を守るという意義付けを守れなかったことは残念、申し訳なかった。東京の中で、一人ひとりの人生や命が大切だという主張をしてきた。議席を守れなかったことは大変残念。
ネット選挙については、有利とか不利とかでなく、国民のみなさんが、この国の社会のこと、将来のこと、議論していただく、そのきっかけになったこと、私はよかったと思う。双方向型の熟議をする、民主主義をつくるためのその第一歩、そういうネット選挙の歴史は作れたと思う。
12年前も教育は票にならないと言われ続けて、でも教育をやらなきゃ意味がないと思ってやり続けた。今回もひとづくり。それは私のライフワーク。結果は結果として、私の使命をやりつづける。
無所属現職・大河原雅子氏
「公示2日前の、候補者調整はやはり理不尽。せめて半年前だったら」「民主への逆風は誰がやっても止められない」
(朝日新聞デジタル「落選の大河原氏「力不足もあるが、やはり理不尽」 東京」 2013/7/22 0:19)
みんな新顔・桐島ローランド氏
「準備期間が短く、力不足だった。大切な東京で議席を落としたことに責任を感じている」。一方で「ぜひ次につなげたい」と述べ、政治活動を続けることに意欲を示した。
(朝日新聞デジタル「みんな・桐島ローランド氏落選「次につなげたい」 東京」2013/7/22 0:30)
【長崎選挙区】
民主党が衆参6議席を独占していた「民主王国」で現職の大久保潔重氏が議席を失った。
民主現職・大久保潔重氏
「4年前、民主党政権への期待が大きかった分、失望も大きかったし、その逆風をはね返す力が私になかった。しかし、暑い中、連日ご支援いただいた大勢の方々のご恩に応える責任が私にはあります」
「敗因はもちろん私の力不足ですが、長崎でも民主党に対する拒否感をはっきりと感じました。最大の理由は菅直人元首相でしょう。あの人が首相になったことが民主党にとって最悪だった…」
「菅さんが首相就任直後に消費増税を言い出し、そのせいで22年の参院選に負けた。にもかかわらず首相に居座り、TPP参加など公約にもないことを何の根回しも何の党内議論もなく言い出し、混乱を招いた。さらに東日本大震災でもひどい対応で批判を浴びた。首相にすべきではなかった。心からそう思います」
(産経ニュース「民主王国の長崎、完全崩壊 大久保氏「菅元首相が最悪だった…」諫早市民の怒り収まらず」2013/7/21 23:58)
【新潟選挙区】
生活の党の代表代行として小沢一郎代表を支えてきた森ゆうこ氏も落選となった。
生活現職・森ゆうこ氏
「(小沢代表の政治資金をめぐる)一連の事件で失った小沢代表や党への信用を取り戻せなかった」と肩を落とした。森氏は「あと一歩だったが私の力不足」と頭を下げ、「多勢に無勢、全県に手が回らなかった」と敗因を述べた。
(産経ニュース「新潟では生活ナンバー2の森氏が落選 「信用取り戻せず」 2013/7/22 00:19)
「改めて、草の根の、手作りの選挙で12年間しがらみができなかったということで、県民のみなさんの草の根のネットワークで応援をいただいて、あと一歩のところまでたどりついたと思っております。開票結果すべてみてみないとわからないのですが、各地区それぞれ手応えはあったのすが力およばずで、大変申し訳なく思っております。すべて私の力不足。ご期待期に答えられず申し訳ないです。」
(ANN 撮って出し!!注目候補者「バンザイ」「敗戦の弁」)
【石川選挙区】
野田政権時代に防衛相を務め、現職の党参院幹事長を務める一川保夫氏。自民新顔の山田修路氏に敗れた。
民主現職・一川保夫氏
報道陣に「これから有権者がマイナスを実感する」とぶぜんとした表情で語った。
結果については「自民(の国会議員)だけでいいのか。有権者の判断基準が分からない」。今後については「経験を伝達しながら政治活動したい」と話した。
(産経ニュース「一川保夫元防衛相、ぶぜん『自民だけでいいのか』」 2013.7.21 22:32)
【宮城選挙区】
民主党、自民党、みんなの党、共産党、諸派から5人が立ち、2議席を争う激戦となった。自民現職の愛知治郎氏、みんな新顔の和田政宗氏が当選を決め、民主党結党メンバーで党副代表の岡崎トミ子氏が議席を失った。
民主現職・岡崎トミ子氏
「暮らしを守る力になる決意で戦ったが、私の訴えが、少し足りなかった。悔やまれてならない」。
(朝日新聞デジタル「岡崎トミ子氏落選、民主への逆風はね返せず 宮城」2013/7/22 0:24)
【島根選挙区】
島根選挙区(改選定数1)では、再選を目指したみどりの風現職で党幹事長の亀井亜紀子氏が、自民党新人で元県議の島田三郎氏に敗れた。
みどり現職・亀井亜紀子氏
本当に皆様にお世話になりました。
私の選挙のために寝る間を惜しんで、連日ご自分の生活とかお仕事をそっちのけで、私のことを応援してくださった方がたくさんいらっしゃいます。それらの方々に本当に感謝を申し上げます。
善意のかたがたに囲まれて、今回選挙をさせていただいて、その方々のお気持ちに答えることは勝つことだけだったんですけれども、勝てなかったのは私の力不足だと思います。申し訳ありませんでした。
(ANN 撮って出し!!注目候補者「バンザイ」「敗戦の弁」)
【三重選挙区】
岡田克也前副総理のおひざ元の三重選挙区(改選数1)で、4選を目指した民主現職の高橋千秋氏(56)が、自民の新人・吉川有美氏(39)に敗れた。
民主現職・高橋千秋氏
ただ今三重県のすべての開票が終了しました。
17日間に渡る選挙戦がこれですべて終わったことになります。
最終の得票数は317,261票でした。
これだけたくさんの方に支えられましたが、
国政に声をあげることはかないませんでした。
皆様の期待に応えることができず、ただただ悔しい限りです。
しかし、今までずっと私を支援していただき、心から応援をしていただいた皆様の想いは決して忘れません。
3期13年仕事をさせていただいた経験は一生忘れることはありません。
今まで支えていただき、本当にありがとうございました。
(高橋千秋氏フェイスブックページより。)
【沖縄選挙区】
米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、自民党本部が「辺野古移設推進」を参院選公約に明記したのにに対して、県連は「県外移設」を主張した。自民新人の安里政晃氏は、知名度の高い現職にいま一歩及ばなかった。
自民新人・安里政晃氏
「支援いただいたが、不徳のいたすところで本当に申し訳ない」
那覇市内の選挙事務所で選対本部長の仲井真弘多知事(73)らとともに開票報道を注視していた自民新人、安里政晃氏(45)は、集まった支持者に深々と頭を下げた。
(産経ニュース「最重点・沖縄では自民新人が現職の壁に阻まれる」より。 2013/07/21 23:29)
【岩手選挙区】
「小沢王国」と名高い岩手選挙区(改選数1)では、無所属で現職の前復興相・平野達男氏が3選を決めた。岩手は、平野氏と生活新人の関根敏伸氏(57)、民主新人の吉田晴美氏(41)という、小沢氏に関係のある勢力がぶつかり合った。
生活・関根敏伸氏
「このような結果になってしまったことに対して、心からお詫び申し上げます。結果については県民の意志が表明された結果ですので厳粛に受け止めたいと思っておりますし、一にも二にも、私の力量が足りなかったと認識しております。」
【大阪選挙区】
大阪選挙区(改選定数4)では、2007年の参院選において全国最多の128万票を得て当選した民主党現職の梅村聡氏(38)が大きく票を減らし、再選はならなかった。大阪選挙区は今回から改選数が3から4に増えた中での敗北であった。
民主現職・梅村聡氏
「社会保障が重要だと訴え続けたが、争点にならず浸透できなかった」と肩を落とした。梅村氏は支持団体の連合大阪に加え、内科医としての経験などから医師会が応援。選挙区ただ一人の現職としての実績をアピールしたが支持は広がらなかった。
(朝日新聞デジタル「梅村聡氏、議席守れず 民主への逆風浮き彫り 大阪」より。 2013/07/21 22:26)
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