9月12日に株式公開(上場)を申請したTwitter。なぜ今のタイミングでの上場なのか。このIPOで、数十億ドルの資金調達になるとの報道もある。海外の報道を比較した。
ツイッターが今IPOする理由 視点が分かれる海外紙の報道
短文投稿サイト大手の米ツイッタ―は12日、米証券取引委員会(SEC)に極秘で新規株式公開(IPO)を申請したとツイッタ―アカウント上で発表した。
ツイッタ―では、日々のランチから世界の動向などについてまでツイートされている。今やそのアクティブユーザー数はすでに2億人を超え、影響力をもった存在となっている。ツイッタ―の発表では、毎日2億人のユーザー4億以上ツイートしているという。
ツイッタ―がIPOでどれくらいの資金を調達するかは不明であるが、総額は数十億ドルであることは確かだとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
アナリストは、ツイッタ―がグローバル展開を続けていくためには軍資金の調達は無論、広告ベンチャー企業モーパブ(MoPub)買収の3億円やさらなる投資のためにに現金が必要だと述べている。
ツイッタ―の資産価値は、資産運用会社ブラックロックが今年1月、ツイッタ―の株を購入しており、90億ドルと見積られている。しかし、GSVキャピタルは、5月段階でツイッタ―の資産価値は105億ドルに膨れ上がっていると推定しており、ツイッタ―の資産価値を推定するのは難しいとガーディアン紙は報じている。
【このタイミングを評価する声】
今週ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の株価が急騰している。フェイスブックの株価は12日、44.75ドルと史上最高値を更新した。リンクトイン(LinkedIn)も株価を大幅上昇しており、「今こそ新規株式公開を申請する絶好のタイミングだ」と、ニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
【仕方なしのIPO?】
ガーディアン紙は、7月に米AllThingsDカンファレンスで行われたツイッタ―の代表のコメントを紹介している。
彼は、IPOをスポーツに例えて語っており、「私がフットボール選手でパスをキャッチしようとしているところに、サイドラインの外側から応援されている一方、“試合後に何をしますか”」と尋ねられたようだ。同紙は、IPO申請はせざるを得ない状況であったようだと報じている。
なぜなら2012年のJOBS法(雇用創出法)改正で、株主数が2000人以上になった場合、財務情報開示義務が課せれることになったからだとガーディアン紙は指摘している。
ガーディアン紙では、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏のコメントを掲載している。このタイミングでのIPOを「それほど悪いプロセスではない」としており、淡泊な評価をしている。また同氏は、確かに市場から革新的なアイデアを示すプレッシャーはうけるかもしれないが、公に提示する財務プロセスは、同社をより強くしたと述べている。
他方、2012年の証券法規則緩和は、年間売上高が10億ドル未満の企業について財務内容を非公開ベースで行うことができると定めている。イーマーケター(eMarketer)米調査会社によると、今年度の売上は約6億ドル、来年は10億ドルに近づくと見積もっている。
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