「大気汚染で早死にする率」がわかる世界地図

「大気汚染が原因で早死にする率」の高い国がひと目でわかる地図を、米航空宇宙局(NASA)が作成した。
NASA/Robert Simmon

「大気汚染が原因で早死にする率」の高い国がひと目でわかる地図を、米航空宇宙局(NASA)が作成した。

この地図は、1850年1月1日から2000年1月1日までのデータを比較したもので、PM2.5などの微小粒子状物質による大気汚染が原因で死亡した人の、1年ごと/1,000平方キロメートルあたりの平均人数を表している。

NASA「Earth Observatory」サイトの説明によると、「茶色が濃い地域は、茶色が薄い地域と比べて、早死にする数が多い。青色の地域では、1850年と比較して大気の質が改善され、早死にする数が減少している」という。

最も濃い茶色は、アジアのいくつかの地域に広がっている。中国の深刻な大気汚染は以前から注目を集めており、石炭を燃やすことによる大気汚染が、中国北部で寿命が短くなっていることと相関していることを示した最近の研究もある。

この地図の基になったのは、ノースカロライナ大学で環境科学を研究するジェイソン・ウエスト准教授が行った調査だ。ウエスト准教授は、『Environmental Research Letters』に発表した研究のなかで、微小粒子状物質による大気汚染に関連した死者数は毎年210万人にのぼる、と推測している。

微小粒子状物質は、酸や埃の粒子など各種が混じり合って構成されている。米環境保護局(EPA)によると、呼吸によって吸い込まれる粒子の大きさは、健康問題を引き起こす可能性と直接的な関係がある。直径2.5マイクロメートル(ミクロン)以下の「微小粒子」が最も危険だ。粒子が小さいほど、鼻やのどを通って肺に入り込む可能性が高くなるからだ。

ウエスト准教授のチームは、死亡率と大気汚染物質との相互作用のシミュレーション・モデルを使って、温室ガスの放出を減らすことが、汚染物質を全体的に少なくすることにつながる可能性があると結論付けている。以下のギャラリーでは、二酸化炭素排出が最も大きい国のランキング(2011年版)を紹介している。日本は第5位。

[Sara Gates(English) 日本語版:平井眞弓/ガリレオ]

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