“異色”のサッカーU-17日本代表 全員出場貫く吉武監督の采配に海外も注目
アラブ首長国連邦(UAE)で開催されたサッカーのU-17(17歳以下)ワールドカップで、日本代表はグループリーグを3戦全勝で突破。決勝トーナメント1回戦でスウェーデンに1-2で敗退し、結果は16強。惜しくも過去最高成績のベスト8には届かなった。
吉武博文監督は、選手全員を出場させるというローテーション制、第3GKに主将を任せるなど特定の主将を設けない采配を貫いた。
【欧州王者ロシアも破りグループリーグ3戦全勝】
日本はグループリーグで3戦全勝と強さを見せた。初戦に欧州選手権王者のロシアを1-0で撃破。波に乗った日本は、次戦のベネズエラ戦を3-1で勝利し、早々に決勝トーナメント出場を決めた。最終戦の相手、チュニジアも2-1で破った。
【バルセロナのようなパスサッカーと62%以上のボール支配率】
鹿島アントラーズに入団が決まっている、身長わずか162cmの杉本太郎(帝京大可児高)や、グループリーグで3ゴールをマークした渡辺凌磨(前橋育英高)といった好選手もいたが、日本のサッカーはパスを重視したスタイル。fifa.comによると、日本のボール支配率はすべての試合で62%以上。敗れたスウェーデン戦に至っては75%にも及んでいた。
中東の「THE NATIONL」紙の電子版では、吉武博文監督がバルセロナのサッカーに影響を受けていることもあり、バルセロナを例えにした記事を取り上げている。
【選手全員を出場させるローテーション制、主将を決めない異色の采配】
同紙は、中学で数学を教えていた元教師という、サッカー界では異色の経歴であったことにも注目している。
「(教師の)経験が、この年代をより理解する助けとなっています。彼らのメンタリティや、何を考えているのか、何を望んでいて何が好きなのかを知ることができます」と吉武監督は語ったという。
さらに21名の選手すべてを起用するという前代未聞のローテーション制、さらには第3GKにもキャプテンを任せる采配について、「ローテーションは私のシステム。皆が一緒にプレーできるよう準備はしています。それに特定のキャプテンを設けていないのは、誰もがキャプテンをできるからです。誰もがチームメイトを信頼して欲しいのです」と説明したという。
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