「青く光る溶岩」インドネシア火山(写真)

焼けつくような温度を表す言葉には、「赤熱」や「白熱」といった色を使う表現があるが、新たに「青熱」という言葉を加える必要があるかもしれない。

焼けつくような温度を表す言葉には、「赤熱」や「白熱」といった色を使う表現があるが、新たに「青熱」という言葉を加える必要があるかもしれない。

インドネシア、ジャワ島にあるカワ・イジェン火山では、夜になると「青い溶岩」が、この世のものとは思えない光を放っている。

「青い光」の原因は、この火山に多く含まれる硫黄だ。硫黄は、燃える際に冷たい紫色の光を放ちながら、摂氏115度以上の高温で、岩の多い山肌を非常に有毒な環境に変えている。

危険な場所であるにも関わらず、同火山には、有害ガスと戦いながら噴火口で硫黄を採掘し、手で持ち帰る作業員たちがいる。写真家のオリビエ・グリューネワルト氏は、このグループに同行し、驚きの光景をカメラに収めた

硫黄は、1ポンド(約450グラム)あたり2.5セントで売却されている。採掘を行う作業員たちは、1回の作業で約80~100キログラムの硫黄の固まりを運び出す。

「Yahoo!」のニュース記事によると、作業員たちは、時には高さ5メートル近くにも達することがある炎や煙の中で、24時間ごとに平均して2回の作業を行い、収入を倍に伸ばしているという。

この火山を取り巻く状況は、グリューネワルト氏と、スイス、ジュネーブを本拠とする火山学協会のレジス・エティエンヌ代表によるドキュメンタリー映画の題材となり、1月初旬に公開された。映画の予告編は、YouTubeでも公開されている(フランス語)。

イジェン火山は16kmの大きなカルデラを持ち,その中に22の噴火口を持つ複雑な火山だが、現在活動しているカワ・イジェンは、カルデラの端にできた火山。なお、日本でもかつては火山の火口付近から硫黄を露天掘りしていたが、石油精製の過程で発生する硫黄の生産が増えてきたことから、国内の硫黄鉱山はすべて閉山した

[Ryan Grenoble(English) 日本語版:兵藤説子/ガリレオ]

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