日本テレビのドラマ「明日、ママがいない」の内容変更を児童養護施設の団体などが求めていた問題で、同社は2月6日までに謝罪文を発表した。「これまで以上に子どもたちに配慮してまいります」として変更に応じる構えだが、具体的にどう変えるのかについては「ドラマという性質上、説明できない」と明言を避けた。日本テレビの謝罪文には、以下のように書かれている。
本ドラマは、子どもたちが厳しい境遇に立ち向かいながら、前向きに愛情をつかむ姿を描くことをテーマに企画されたもので、そのことは、本ドラマを見続けていただければ必ずやご理解いただけるものと考えております。また制作にあたっては、児童養護施設の施設長を経験された専門家に監修をお願いするなどの配慮をいたしておりました。
しかしながら、貴協議会が1月29日付書状等においてご指摘されるように、本ドラマを視聴した施設の子どもたちが傷ついたり、同書状別紙の実態アンケートに記載されたような事実が存在するのであるならば、もとより本ドラマの意図するところではありませんが、そのような結果について重く受けとめるとともに、衷心より子どもたちにお詫び申し上げます。
さらに、貴協議会から事前に児童養護施設を取り巻く環境などの実情を詳細に伺い、表現上留意すべき点などをより慎重に確認しておく必要があったと認識しております。
本ドラマにおきましては、貴協議会からのご指摘も踏まえ、これまで以上に子どもたちに配慮してまいります。具体的かつ詳細な点につきましては、ドラマという性質上、ご説明することはご容赦頂きたく存じます。ご指摘頂いた点については重く受け止め、すでに主体的に番組制作に活かしております。
「明日、ママがいない」は、人気子役の芦田愛菜さんが主役を務める連続ドラマ。1月15日に放送された第1回の視聴率は、関東地区で14.0%と好スタートを切った。親と離ればなれになった子供たちが暮らす児童養護施設を舞台に、子供たちが懸命に生きる姿を描く物語という設定。芦田さんは、かつて赤ちゃんポストに預けられたことで「ポスト」と呼ばれる少女を演じている。
しかし、実際に赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を設置する熊本市の慈恵病院が「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」と、1月16日までに日本テレビに抗議。全国児童養護施設協議会と全国里親会も会見を開き「自殺するものが出たらどうしてくれるんだ!」と訴えた。
1月28日までにスポンサー全社がCMを見合わせたが、日本テレビは「最後まで見ていただければきちんと理解してもらえる」と、強気の姿勢を崩さなかった。全9話を予定通り放送する方針だった。
しかし、番組を見た若者がリストカットした事例まで報告され、田村憲久・厚生労働相も2月3日に「影響を調査したい」と国会質問で述べるなど、波紋が広がっていた。
今後のドラマの変更点だが、芦田さんが演じる少女の「ポスト」という呼び名が番組中になるべく出ないようにする案が有力だとサンスポが報じている。
関係者の話を総合すると全9話のうち脚本は、5日放送の第4話から6話まで完成。問題視された一つ、子役の芦田愛菜(9)演じる主人公のあだ名「ポスト」について、登場人物のやり取りから徐々に減らす案などが有力だが、同局総合広報部は「全養協への回答なので、(現時点では)公表を差し控えたい」としている。
(サンスポ『“ポスト”減らす方向へ…「明日、ママがいない」内容改善』2014/2/05 05:03)
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