犬を飼っている人ならわかるはずだ。
犬とは違い、不幸にも人間には日課があって、仕事に出かけたりしなければならないわけだが、そんなとき、ふと振り返って飼い犬の目を見ると、自分が最低の人間に思えてくる。ものすごくひどい人間のように感じられてくるのだ。
そんなときの犬たちの気持ちが、じわじわと伝わってくる写真たちをご紹介していこう。
「また出かけちゃうんだね。僕のことは心配しないで。別に悲しくなんかないから」
「出かけるなら、僕はこの椅子にずっと座ってるよ。本当のことを言うと、とても、とても悲しいんだ」
「出かけたって構わないんだよ。でも、どれほど行ってほしくないかわかる? おもちゃを全部持ってきたよ」
「そう簡単には行かせない。たしか、クルマを運転するにはこの場所が必要なんだよね」
「靴ひもを結ぶなんて言わないよね?」
「こんなに頼んでもダメなの? 行ってらっしゃいのキスなんかできないよ」
「信じられない。こんなにつらそうな顔をしているのに行っちゃうなんて」
「えっ戻ってくるのかな?」
「本当に気持ちは変わらないの? 変わるかもしれないよ」
「最低な人」
「一緒に出かけられるのはいいんだけど、その動機が怪しい」
「出かけるよって言って喜ばせておいて、獣医に連れていかれことがあったよね。あれはひどすぎたよね」
「僕の足を踏んだときを覚えてる? ひどかったよね」
「それからコスプレさせたよね。あれもひどかった」
「これもひどいもんだったよ」
「ハハハ…(自虐的な笑い)」
「この魔法だってひどいよね」
「それからお風呂。僕がどんな気持ちになるか、わかる?」
「どんなことされるか、わかる?」
「お風呂なんて嫌いだ」
「お風呂を無理強いするご主人も嫌いだ」
「僕のことを好きだって言うけど…。新しい公園に連れて行ってくれたら、その公園が大好きになると思うよ」
「だからいたずらしたんだよ! でも僕の顔を見て。罪の意識を感じなくちゃならないのはご主人のほうだよ…こういうことを僕にさせたのはそっちなんだから」
「だけど、そんなに気にしないで。許してあげるから。ご主人が帰ってきたら、僕はもう…」
「それからこんなことして…」
「ねっ!」
[Nick Wing(English) 日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]
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