ウクライナが国民対話図る円卓会議開催 東部の分離派は招かれず

ウクライナ暫定政権は14日、国民間の対話を図る円卓会議を開催し、地方分権を拡大させる方針を表明した。ただ東部の分離派は招かれておらず、緊張緩和にどの程度効力があるのか疑問も出ている。
Reuters

[キエフ 14日 ロイター] - ウクライナ暫定政権は14日、国民間の対話を図る円卓会議を開催し、地方分権を拡大させる方針を表明した。ただ東部の分離派は招かれておらず、緊張緩和にどの程度効力があるのか疑問も出ている。

前日に東部のクラマトルスク近郊でウクライナ軍兵士が親ロシア派武装集団の襲撃を受け7人が死亡するなど緊張が高まった状態が続くなか、暫定政権はキエフの議会内で円卓会議を開催。政治家のほか、市民グループなどが参加した。

トゥルチノフ大統領代行は席上、ロシア政府が「ウクライナ東部と南部の不安定化に向け組織的な行動」をとり、その結果「爆発寸前の事態」に陥ったとして厳しく非難。

ヤツェニュク首相は、「市民に向けて発砲したり殺りくを行ったりしない誰とも対話を行う用意がある」と述べた。

同首相は地方分権を推し進める方針を表明し、「憲法改正を通して、地方分権を推し進め、地方政府に一段の権限を譲渡し、(中央政府と地方政府との間の)真に均衡の取れた関係を構築していくことができる」と述べた。

暫定政権は地方分権の拡大がロシア編入を望んでいる東部の分離派の不満解消の一助になるとみており、事態の打開につながることを期待している。地方政府が税収の一部をインフラの改修や地元産業の振興などに使えるようにすることなどを検討している。

ただ、親ロシア派勢力が主張している連邦制の導入については、中央政府の力が弱められ過ぎるとして、容認する方針は示さなかった。

ウクライナの富豪リナト・アフメトフ氏は、暫定政権が示した地方分権の促進について、危機打開に向けた「唯一の方法」とし、支持を表明する声明を発表した。

この日の円卓会議には、暫定政権の閣僚、各政党の指導者、25日の大統領選挙の候補者のほか、財界人や地方政府の要人も参加。ただ、暫定政権が「テロリスト」と定義する東部の分離派は招かれなかったことで、批判も出ている。ロシアは暫定政権と分離派は直接対話する必要があるとしていた。

ドイツのメルケル首相は、参加者が多ければ多いほど望ましいとの考えを示した。

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