あなたの仕事は残業対象外? 対象となる一般社員を明確化へ

政府が導入を目指している労働者の労働時間規制を外す新制度について、有識者議員と厚生労働省は、それぞれ対象になる一般社員の職種の案を表明する。
Gary S Chapman via Getty Images

仕事によって「残業」の観念がなくなるかもしれない――。

政府が導入を目指している、労働者の労働時間規制を外す新制度について、有識者議員と厚生労働省は5月28日に開かれる産業競争力会議の会合で、それぞれ対象になる一般社員の職種の案を表明する。

始業・就業時間や残業などの労働時間の観念を無くす働き方は、ワークライフバランスや労働生産性向上の観点から多様な働き方の一つとして政府が導入を目指している。

しかし、厚生労働省と有識者議員の現在の案は、対象となる職種が一致していない。厚生労働省案が一部のみを認めるのに対し、有識者議員案はより幅広く認めるべきとしている。今後はどこまですり合わせが行われるかが焦点となる。

以下に、厚生労働省案と有識者議員案の2案を紹介する。

■厚生労働省案

これまで厚生労働省は、労働時間に関係なく成果のみで賃金が決まる対象を、管理職から一般社員に広げることは慎重だったが、今回は金融などの高度専門職などに限定して認める考えを示すとされる。それ以外の業種については、すでにいくつかの業種で認められている「裁量労働制」を拡大することで対応するという。

田村憲久厚生労働相は5月27日、閣議後の記者会見で、対象を限定的にする理由について、「成果自体がある程度しっかりとわかる働き方でないと対象にならない」と述べ、成果を測れないような職種は難しいとの考えを示した。

■有識者議員案

これに対し有識者議員案では、企業の幹部候補や商品開発のグループリーダーなど、企業で一定の責任を持ち、中核・専門的な仕事を担う人も含まれるという。一方、対象とならない職種として、運送会社の運転手、建設会社の作業員、一般事務、窓口業務、販売や接客などを挙げている。

甘利明経済財政担当相は、27日の閣議後の記者会見で、企画立案などの仕事に携わる人の労働について次のように述べた。

いろいろな企画立案、プランをいついつまでに出してほしいというのは、出てくるプランに対して対価が払われるという職種であります。人によっては、夜遅い方が頭がさえるという人もいらっしゃると思います。閣内では、茂木大臣は午前零時を過ぎると頭がさえると言っています。いろいろな人がいますからね。自分の得意な働き方に従って、自己管理、労働時間管理ができるという人は、そういう働き方があっていいのではないかということだと思います。

(内閣府「甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨」より 2014/05/27)

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