全日空(ANA)は、午前0時ごろに羽田空港を出発し午前2時半ごろに那覇に到着する格安料金の沖縄便「ANAギャラクシーフライト」を、7月18日から就航させた。8月末までの期間限定だが、運賃は日中のフライトの半額以下に設定されており、すでに予約率は8割を超えているという。NHKニュースなどが報じている。
もともと深夜に限って航空貨物便として那覇まで運航されている機体で、より多くの貨物を載せるためおよそ300席から500席の座席には乗客を乗せていませんでした。しかし夏休みのシーズンは沖縄観光の人気が高いことから、一部の座席に乗客を乗せて来月いっぱいまで運航することにしたもので、事前に購入した場合、ほかの割引運賃よりさらに安くなっているということです。
(NHKニュース「羽田から深夜・格安の沖縄便」』より 2014/07/18 07:33)
ANAギャラクシーフライトは、羽田0時発―那覇2時30分着のNH999便と、那覇4時40分発―羽田7時着のNH1000便の2便を用意。羽田発の便には「銀河鉄道999」にかけて便名に「999」の数字をあしらった。
深夜便のため、有人カウンターのみでの搭乗手続きとなったり、ペットの預かりができなかったりなどの制約もある。しかし料金は格安で、希望の便を60日前までに予約・購入する「旅割60」では、最安片道9700円となることが、人気の理由だ。ANAのマイルも通常どおりに積算される。
安さの理由について東洋経済オンラインは、羽田—沖縄間のANAの貨物便が、貨物専用機ではなく旅客機を利用していた事が低価格につながったと分析している。
通常の旅客機は乗客だけを乗せるのではなく、ベリーと呼ばれるお腹の部分に航空貨物を併載して運ぶ。今回のギャラクシーフライトに使う旅客機は、これまで羽田―那覇間の荷物だけを運んできた。
そこで、空いている「座席」の部分に乗客を乗せて一緒に運ぶという逆転の発想によって、コストを大きくかけずに旅客便を飛ばすという奥の手を編み出した。そのため、各便の乗客数は荷物の多寡に左右され、手荷物が預けられるのは1便あたり原則150席となる。
(東洋経済オンライン「予約殺到!ANA夏休み深夜限定便のカラクリ」より 2014/07/15)
ANAは沖縄県が本土とアジア各都市から飛行機で4時間圏内の距離にあることに着目し、那覇をハブ空港として航空貨物事業に本格的に参入したが、貨物専用機だけでなく、既存の旅客機を事業に使うことで、初期投資を抑えていた。
全日空は、ギャラクシーフライトの搭乗率や乗客の反応などを踏まえ、今後の運航についても検討したいとしている。
なお、ANAが深夜に飛ばしている貨物定期便では、国内線は羽田―那覇のほか、羽田-関西(大阪)、羽田-千歳(札幌)、羽田―佐賀などの間で運航する便が、旅客機を利用して貨物を運んでいる。
ANA路線図
深夜に日本上空を飛ぶ飛行機(クリックで拡大)
2014年7月10日 午前3時52分ごろ、台風8号が九州に接近していた日もANAの貨物便は佐賀空港から飛んでいた(Flightradar24 ホームページより)
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