[上海 25日 ロイター] - 使用期限切れ食肉供給問題が指摘されている中国企業、上海福喜食品に対し、昨年まで同社の品質管理担当者だった男性が、食肉生産日の改ざんを強制されたなどとして訴訟を起こしていたことが分かった。
今年下された判決では、会社側が勝訴した。
ロイターが確認した裁判資料によると、米食品卸売会社OSIグループ傘下の上海福喜に2007年から13年にかけて勤務していたワン・ドンライ氏は、会社が洗浄剤に使用していた塩素で健康を害したとして、約3万8000元(6100ドル)の損害賠償を求め提訴。このほか、残業を強制されたほか、食品安全法に反する「非倫理的労働」を強いられたとして、上海福喜での労働契約終了を求めた。
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ワン氏は昨年10月の審理で、意に反して工場で生産日を改ざんしたと証言。食品安全法に反し、消費者の利益を損なう事業慣行を変えるよう何度も上司に掛け合ったものの、会社側は訴えを無視したと述べた。
ワン氏からはコメントを得られなかった。訴訟で同氏の代理人を務めた弁護士はコメントを拒否した。
上海市嘉定区人民法院(裁判所)は今年1月、会社側が提出した記録に基づくと、ワン氏の健康に異常はなかったとして、同氏の敗訴となる判決を言い渡した。
また、残業の訴えとともに、生産日改ざんを強いられたとする同氏の訴えも証拠が不十分だとして退けた。
この訴訟で上海福喜の代理人を務めたシャー・ユーガン弁護士は、同訴訟は食品安全問題に関わるものというよりも個別の労使紛争だと指摘。自身は現在は上海福喜と関係はないとして、同社がワン氏の訴えをその後考慮したかどうかは分からないと述べた。
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