軍政下で不明の孫、36年ぶりに生存確認 祖母の執念成就 アルゼンチン

アルゼンチンの軍事政権時代の「左翼狩り」で行方不明になった子供を探している団体のリーダー、エステラ・デ・カルロットさん(83)が、36年ぶりに孫の男性の存在を確認した。
AFP時事

アルゼンチンの軍事政権時代の「左翼狩り」で行方不明になった子供を探している団体のリーダー、エステラ・デ・カルロットさん(83)が、36年ぶりに孫の男性の存在を確認した。司法当局が8月5日明らかにした。時事ドットコムなどが報じた。

カルロットさんの娘で大学生だったラウラさんは77年、妊娠3カ月の時に軍事政権に拘束され、獄中出産後、殺害されたとされる。カルロットさんは孫の生存を信じ、行方不明者を捜索する女性団体の立ち上げに参加し、精力的に活動を続けていた。

最近になって、ブエノスアイレス近郊に暮らす男性(36)が自らの出生の経緯に疑問を持ち、団体に名乗り出てDNA鑑定をしたところ、カルロットさんの孫と判明した。

(時事ドットコム「軍政下で不明の孫、生存を確認=祖母の執念、30年超経て成就-アルゼンチン」より 2014/08/06 10:04)

アルゼンチンの軍事独裁政権時代(1976年~1983年)には、左派の若者や労組活動家らが相次いで拘束され、拷問の末に殺された。行方不明者は3万人に上るとされる。反体制思想を後世に受け継がせないため、獄中出産した約500人の女性活動家から乳児を奪い、軍政関係者らの養子にしていたとされる。

男性は既に結婚して、音楽家として活動している。カルロットさんは5日の記者会見で「孫を抱きしめるまでは死にたくない」と興奮した様子で話し、「誰が引き渡し、誰が育てたかはわかっている」と語ったという

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