香港デモ、十代の学生らが前線に 富豪らが後ろ盾【傘の革命】

香港の次期長官選挙の制度改革に反発した民主化デモは、「傘の世代」と呼ばれる十代の学生らが先頭に立っている。
Reuters

[香港 29日 ロイター] - 香港の次期長官選挙の制度改革に反発した民主化デモは、「傘の世代」と呼ばれる十代の学生らが先頭に立っている。組織化され、決意が固く、理想に燃える彼らの運動は、中国政府にとって大きな脅威だ。

民主化運動の後ろ盾となっているメディア富豪、ジミー・ライ(黎智英)氏はロイターに対し、「若者たちの時代になった。中国政府には非常な脅威だが、われわれは実に元気付けられる。これがわれわれの未来だ」と声を震わせた。

現在デモに参加している若者たちは、1989年の天安門事件を直接知らずに育った初の世代だ。

学生たちは先週、入念な計画の下、市全体で授業ボイコットを実施。週末には香港政府本部庁舎がある金鐘(アドミラルティ)のバリケードが張られたスペースに押しかけ、大規模なデモへと発展して逮捕者を出す事態に発展した。

金鐘で警官隊と向き合った学生らは胡椒スプレーや催涙ガスを浴びせられ、デモはビジネス街の中環(セントラル)へとさらに広がった。

胡椒スプレーから身を守るために広げられた数百の傘は、学生らが一時的に引き上げるとその場に捨て去られた。

大学生6万人強で構成する香港学生連盟は28日夜ツイッターで、「身の安全を守ろう」、「長い闘いになるぞ」と仲間に呼びかけた。

<ティーンエージャーが前線に>

17歳のジョシュア・ウォン君にとって、これは既に長い闘いだ。

彼は2年前、「スカラリズム(Scholarism)」と自称する中等学校の活動家らの助けを借り、香港の学校で中国本土寄りの国民教育を導入する計画を棚上げさせることに成功した。

最盛期には学生と父兄合わせて合計12万人が香港行政府に押しかけ、変革を迫った。

ウォン君は最近ロイターに対し「僕はより良い未来を望んでおり、香港で自分自身の将来を選択する権利を持てるようにしたい。僕らは確かに学生だけど、市民でもあるから、行動を通して政府の政策を変えられるんだ」と語った。

スカラリズムと香港学生連盟はともに、インターネットを通じてメッセージを拡散し、横断幕を掲げる従来型のデモを避けてきた。

しかしウォン君は「僕は常に、僕らの活動と抗議は人目を引き、ビジュアル面で魅力的でなければならないと強調してきた」と言う。

彼は27日、市民広場を再び解放するよう要求するデモで逮捕されたが、40時間後に釈放された。少し休んだ後、再びデモに加わる決意だ。

<狭いアパート>

学生グループは通常、狭く散らかったアパートを拠点に活動している。資金源は豊富で、スカラリズムは7月1日のデモ活動だけで120万香港ドル(15万5000ドル)を集めることができた。

彼らは電話が盗聴されているのではとの不安を語りながらも、挑戦的な姿勢を貫き、香港行政府と中国政府に対する不信感をおおっぴらに口にする。

スカラリズムの副代表、アグネス・チューさんは「自らを『中国人』だと感じていないから、あるいは国としての中国が嫌いだから活動しているわけじゃない。だけど政権は信頼できないと感じている。この感覚は否定できない」と話す。

60代、70代を中心とする民主化団体「オキュパイ・セントラル」も、学生にお株を奪われたと認めている。

団体の創設者、ベニー・タイ氏は、今回のデモの規模を見てオキュパイとしての抗議活動を予定より数日間前倒ししたと説明。「学生たちの活動に感銘を受けた。われわれが出遅れたことさえ認めよう。自らを恥じなければならない」と語った。

(Clare Baldwin、 Kinling Lo記者)

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