[東京 14日 ロイター] -前場の東京株式市場で日経平均は大幅続落。取引時間中としては8月11日以来、約2カ月ぶりに一時1万5000円を下回った。世界景気の先行き懸念から国内連休中の米国株が大幅安、為替も円高に進んだことで、日本株にもリスクオフの流れが波及した。
下げ幅は一時300円を超えたが、売り一巡後は先物や主力株に買い戻しが入り、前引けは1万5000円台を維持した。前場の東証1部売買代金は1.3兆円と活況だった。
投資家の不安心理の度合いを示すとされるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX指数)は13日、24.64まで上昇し、2012年6月初旬以来の高水準で終えた。投資家心理が冷え込んだ背景には、欧州を中心とする世界景気の先行き不透明感や、米量的緩和第3弾(QE3)終了後のグローバルなマネーフローの変調に対する警戒感がある。
日本株にも朝方からリスク回避の売りが先行したが、日経平均は9月25日の高値からきょうの安値まで短期間で約1400円値幅の調整となり、下落ピッチの速さも意識された。売り一巡後は1万5000円割れによる目標達成感もあり、売り方の買い戻しで下げ渋る展開となった。公的年金や日銀ETF買いなどへの期待も支えになった。
市場では「グローバルなリスク回避の動きが出ているが、基本的には利益確定売りの範囲内。欧州経済の下振れリスクが懸念され、世界景気の不透明感はしばらく続きそうだが、日経平均は企業収益等からみて1万5000円より大きく下落することは考えにくく、下値余地は限定的だろう」(みずほ総研シニアエコノミストの武内浩二氏)との声が出ていた。
東証1部の騰落数は、値上がり235銘柄に対し、値下がりが1525銘柄、変わらずが72銘柄だった。
日経平均
前場終値 15079.23 -221.32
寄り付き 15036.87
安値/高値 14939.99─15089.9
東証出来高(万株) 140994
東証売買代金(億円) 13291.46
(河口浩一)