安倍晋三首相の昭恵夫人は10月27日、東日本大震災の被災地に巨大な防潮堤を造る計画に対して「環境を破壊するような防潮堤を造って本当にいいのだろうか」と述べ、あらためて疑問を呈した。名古屋市で開かれた勉強会の基調講演で述べたという。産経ニュースが報じた。
昭恵夫人は「インフラの復興も大切だ。私は反対運動をしているのではない」と説明した上で「防潮堤の高さを変えればいいところもあるし、全く必要ない場所もある。もう一回精査してほしい」と訴えた。
(首相夫人、被災地防潮堤にまた異議 「もう一回精査してほしい」 - 産経ニュースより 2014/10/27 15:28)
国は被災した地方に巨大な防波堤を作る計画を建てた。地域によって高さが異なるが、平均で宮城県内では7〜8メートル、岩手県内では11メートルとなる。津波から町を守る効果が期待される半面、環境や景観が損なわれるなどの指摘が出ている。宮城県気仙沼市では地元住民によって、県に計画再考を促す運動が続いているほか、石巻市の一部では防潮堤の新設を取りやめる方針も固まった。
昭恵さんは9月25日、アメリカ・ニューヨークのフォード財団でも防潮堤について講演。住宅が高台に移転して海岸部に住む人が減っていることなどをあげ、「(防潮堤の)耐用年数は、多く見積もって60年。ところが備える対象の津波は、何百年に一度という規模のものなので、ひ孫の、そのまたひ孫の世代まで、補修のため、おカネを注ぎ込み続けていかなくてはなりません」などと指摘していた。
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